2017.10.04

ウォールナット材の経年変化【No.2061】

無垢材テーブルの樹種を選ぶ際に、気にしておいたほうが良いのが経年による色の変化です。材木業界や無垢材家具の世界では、時間が経って、材木や家具の色が変化することを型ね変化と表現しています。経年変化とは年月が経つにつれ、製品の品質や性能が変化すること定義できますが、木材では質が変化するということは、雨さらしの屋外で置いておくのは別として、室内の空間ではほとんどありません。ですので、木材に限っては表面の色味が時の経過とともに、変化していくということになります。

 

色が変化する要因については、様々あると考えられていますが、最も影響するとされているのが、光の中に含まれている紫外線です。木にはリグリンという成分があり、このリグリンが紫外線を吸収し、分解していきます。その過程で色が変化していくと言われています。無垢材家具でよく使われる木材の中で、最も経年変化が激しいとされているのが、ブラックチェリー材です。製材したてのブラックチェリー材は、淡いピンクがかった褐色をしていますが、時間が経つにつれ、オレンジの色味が強くなり濃いオレンジがかった茶褐色に変化していきます。段々、色が濃くなっていくので、熟成度が増すような感じがして、数年経ったチェリー材の家具は何ともいえない味のある色味になります。チェリー材の経年変化は濃くなるので、イメージがつきやすいですが、経年変化で注意が必要な樹種があります。それは、ブラックウォールナット材です。

 

ブラックウォールナット材は、木そのものが濃い茶褐色をしていて、オイル等で仕上げると黒紫がかったこげ茶色に仕上がります。この色味は、着色では決して表すことの出来ない複雑な色味で、ウォールナット材の人気を支えている要因の1つです。ですが、家具が出来上がった当初の色味がそのまま長く続くとは思わないほうが良いです。ウォールナット材は、時間が経つにつれ、色味が少し薄くなり黒っぽさが抜け、赤味のある茶褐色に変化していきます。変化した後の色味も、深みがあり、味のある色味ではありますが、黒っぽい色味が気にいった場合は少し期待とは違う色味かもしれません。

 

ですが、これも天然素材の無垢材ならではのことなので、この変化を楽しんで頂きたいと思っています。もちろん、テーブルだけがこの経年変化をするわけではないので、椅子やテレビボードも同じ時期に製作されたものであれば程度の差はあれど、同じような変化をしていきます。

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上の写真は、製作したばかりのウォールナット材の家具をお客様宅にお届けした際に撮影したものです。ウォールナット材の色味が最も濃く黒っぽい色味をしている状態です。

 

下の写真は、しばらく吉祥寺ショップに展示していたウォールナット材のデスクです。

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だいぶ黒っぽさが抜け、赤味がやや強くなっているのがわかって頂けると思います。

 

無垢材テーブルの樹種を検討する際に、ウォールナットとチェリーで悩む方も多いかと思います。その際にチェリー材は濃くなる、ウォールナット材は濃い色味が抜けるといった経年変化を起こるということを頭に入れて、検討してみることをオススメします。

 

ちなみに上述したチェリー材とウォールナット材は経年変化の激しい樹種の代表格ですが、そのほかにもメープル材も年月が経つと色の変化が目に見えてわかる樹種です。出来た当初はかなり白く明るい印象ですが、徐々に黄色みが強くなり最終的には飴色と表現されるような艶やかな黄褐色になります。メープル材の場合は、経年変化をしても明るい印象はそのままですが、色味自体は変化します。

 

賢木@吉祥寺

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