2016.10.13

同じオイル仕上げでも・・・【No.1705】

無垢材テーブルの場合、お店によっては表面の仕上げを選べる場合があります。ソリウッドでもお客様のご希望に応じてオイル仕上げとウレタン塗装という2つの方法を選択出来ます。この2つの仕上げ方法の決定的違いは塗膜をはるかはらないかだと考えます。オイル仕上げの場合は、少し粘り気のあるオイルを木部に染み込ませるだけの仕上げです。一方、ウレタン塗装はプラスチック性の塗膜を木材の上に作って保護する塗装です。そのため、ウレタン塗装の場合、テーブルを触った際に手が触れているのはプラスチックの塗膜ということになります。ウレタン塗装の肌触りはツルツルとはしていますが、のっぺりとした肌触りといえます。一方、オイルの場合はオイルが浸透した木材を触っているということになります。木材は中に空気を含んでいたり、表面にはパッとみただけではわかりづらいですが、微妙な凹凸があったりします。ですので、ウレタンに比べると触った際にのっぺりとした感じがあまりなく、程よいツルツルと感触になります。最近のウレタン塗装は薄く塗ることが出来ますし、つや消しにできるので昔の座卓のようなテカテカした感じではなく、より自然な印象に仕上がります。見た目だけでは、オイル仕上げとウレタン塗装の区別がつかないといった方もいらっしゃると思います。

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オイル仕上げの場合は何度も書いている通り、オイルを浸透させるだけなので、木部の表面の仕上げがそのまま仕上がりの肌触りになります。そのため、スベスベとした質感のテーブルにするには、オイルを塗る前にしっかりと磨く必要があります。反対にあまり磨かないと少しざらつきが残る肌触りになります。どこまで仕上げるかは作り手次第ということになります。オイル仕上げの無垢材テーブルを検討する際には、表面の肌触りがどう違うかも検討項目に入れておくと良いと思います。一般的にはスベスベした肌触りのほうが心地良いと感じるかと思います。ですが、これも感覚は人それぞれなので、いくつかのテーブルを触って好みを見つけてみてください。

また、オイル仕上げの場合は木材の構造によっても少し肌触りが違ってきます。無垢材テーブルによく使われるのは広葉樹です。広葉樹は十分な硬さがあり丈夫なので長く使うことを前提とした家具には最適な木材になります。ですが、同じ広葉樹でも大きく2つの構造に分けることが出来ます。それは木が養分や水分を運ぶための導管という管がどう配置されているかの違いによって分類されます。木材の木口には年輪がありますが、その年輪に沿うように導管が規則正しく配置されているのが環孔材です。環孔材の場合、木材をカットすると表面に導管がでてくることがあります。そうなると、横からみると細かい凹凸があるようになります。触ってみると、この凹凸をかすかに感じることが出来ます。もう1つは、導管が散らばって配置されており、導管がわりづらい散孔材です。散孔材の場合は、環孔材に比べると導管が表に出て来ないのでより平滑になります。オイル仕上げの場合は環孔材か散孔材かによって同じように磨き、同じようにオイルを塗っても肌触りが変わってきます。環孔材の代表格はタモ、ナラ、ケヤキ,チークといった樹種です。これの樹種は触ってみるとかすかな凹凸を感じます。また、木目も比較的はっきりでるタイプの樹種が多いのも特徴です。一方、散孔材は、ウォールナット、チェリー、メープル、ブナといった材が主な樹種になります。これらはよりスベスベした仕上がりになり、ついほお擦りしてしまいたくなるような質感になります。環孔材に比べ、木目が目立たないといった特徴もあります。

オイル仕上げといっても、オイルを塗る前の素地の整え方や樹種で仕上がりの肌触りが変わってくるということを知っていたければと思います。

賢木@吉祥寺

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