2016.10.12

特徴のある香りがするのは・・・【No.1704】

吉祥寺ショールームには当然ですが、無垢材テーブルや木目がわかりやすくなるように削った製作途中の板が多数展示されています。店内に入られたお客様の中には「良い木の匂いがする」とコメントされる方も少なくありません。木の匂いは匂いというより香りと認識している方も多いかと思います。厳密な定義があるかどうかはわかりませんが、匂いと書くとどこかマイナス要素も含まれている気がします。一方、香りと表現すると好意的なニュアンスが多く含まれていると感じます。もちろん、感じ方は人それぞれですが、木が放つ匂いについては、好意的に感じている方が多いと感じます。この香りも木の魅力であることは間違いないでしょう。

とはいえ、樹種によって木が放つ香りがだいぶ違ってきます。普段の生活ではあまり意識していないことだと思います。多くの方が木の香りと聞いて想起されるのは、スギやヒノキがもつ、さわやかで、爽快な気分になる香りだと思います。スギやヒノキは針葉樹で一般的に香りが強いとされています。

そもそも木の香りとはどんなものなのかからみていきます。木の香りの正体は木材の中に存在する”フィトンチッド”と呼ばれる精油成分になります。このフィトンチッドは樹木が自ら作り出して発散している揮発性の物質で、主な成分は有機化合物です。このフィトンチッドは、虫や動物に葉や幹を食べられないようにする作用や他の植物への成長阻害作用など樹木が生きていくために香りを発して身を守っているというわけです。虫などがから自分を守るために発している匂いが人間にとっては、リフレッシュ効果があったり、消臭や脱臭効果があったりするのはなんだか不思議です。

先ほど、針葉樹のほうが香りが強いということを書きましたが、広葉樹では針葉樹に比べると匂いが弱いものが多いです。ナラやタモ、メープルといった樹種はあまり匂いがしません。広葉樹のなかで特徴的な匂いを発すのがケヤキ材とクス材です。ケヤキの香りがどんな感じかを言葉で表現するのは非常に難しいですが、近くにケヤキの板があるのがわかるぐらい特徴的な香りです。

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こちらはケヤキ材で製作した耳つきテーブルです。ケヤキ材の特徴ははっきりとした山型の木目で非常に木材っぽい表情をしています。また、色味は赤茶褐色でわりと主張のある色味をしています。和モダンな雰囲気を醸し出したいやアクセントをつけたいという時にはピッタリの木です。今日現在、W1500の天板がとれる2枚はぎ用の板が吉祥寺ショールームに展示されています。

また、クス材はいわゆる樟脳の匂いがします。樟脳とは血行促進や鎮痛作用などの効果があり、医薬品の成分としても使われています。また、防虫剤や防腐剤としても使われています。

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以前製作したクス材の天板のアップです。クスは色味の違った木目が縞模様になるのが特徴です。クスは常に在庫があるという樹種ではありません。材木市場で最適な板があれば仕入れることもあるかもしれません。

賢木@吉祥寺

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