2015.12.08

ソリウッドの耳つきテーブル製作は、丁寧に板を乾燥させる所から始めています。【No.1395】

ソリウッドでは耳つきテーブルという商品を製作して販売しています。無垢材を使ったテーブルは、ストレートカットテーブルと耳つきテーブルにカテゴリー分けがされています。ストレートカットテーブルはその名の通り、端が真っ直ぐに切られているテーブルです。4辺すべてが直線です。(丸テーブルも便宜上ストレートカットテーブルにカテゴライズされます。) 一般的なテーブルはたいていストレートカットテーブルですね。

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先日納品したチェリー材ストレートカットテーブルです。一辺1000mmの正方形テーブル。

一方の耳つきテーブルはどんなテーブルかというと…

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こんな感じになります。長い方の2辺は樹皮がついていた部分を残しています。もう2辺は直線でカットしています。樹皮がついていた部分を”耳”と呼んでいます。パンの耳と同じように考えてもらえると分かりやすいかもしれません。食パンも耳がついたまま食べるケースとサンドイッチにして耳をカットして食べるケースがありますよね。

耳つきテーブルの”耳”は自然が作り出した柔らかい線をそのまま活かしています。耳の部分は磨いて綺麗にしていますが、少しゴツゴツ、ザラザラしていて、カットした面とは違った表情をしています。
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耳つきテーブルに使用している板は主に私が材木市場で仕入れてきた板です。材木市場では、丸太や製材された板がたくさん出品されていてセリや入札で買い手が決まります。私が耳つき板を仕入れるために行っているのは岐阜県にある材木市場です。ここは広葉樹材をメインに扱っている材木市場です。日本では針葉樹林業がメインなので、広葉樹材専門の市場というのは数が少ないです。なので、広葉樹材を扱っているこの市場には全国から材木屋さんが集まってきます。セリに参加しているのは主に材木屋さんですが、そこに混じって家具屋の私もセリに参加しています。
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このように製材された板が並べられています。この逆サイドには丸太が並べられています。丸太から製材する事も考えられますが、今は既に製材された板を仕入れています。その方がいろいろな樹種を揃えることが出来るからです。工房の近くに製材できる場所があれば丸太を仕入れて製材する所からやりたいですが、残念ながら相模湖工房の近くには製材工場がありません。

材木市場に並んでいる板の多くは未乾燥材です。製材されたばかりの水分をまだ多く含んでいる板ばかりです。なので仕入れたらまず乾燥をさせなくてはいけません。木の乾燥は一筋縄ではいきません。相手は自然素材なので、人間が思っているようにはなってくれないんですね。乾燥中に板が割れたり、反ったりしてしまいます。

乾燥方法は大きく分けて2種類。天然乾燥と人工乾燥です。天然乾燥は自然と乾くのを待つ乾燥方法です。風通しの良い場所に板を並べておいて乾燥させます。板を横にして桟を置いて板を重ねていく桟積み方法が一般的です。桟を挟むことで1枚1枚の間に空間ができます。この隙間から水分が抜けていきます。桟を入れないと風通しが悪く、なかなか水分は抜けてくれません。

人工乾燥は木材乾燥庫に入れて乾燥させます。乾燥庫を使えば、より早く木材を乾燥させることができます。乾燥具合も天然乾燥よりもより乾燥させることができます。ソリウッドでは人工乾燥させた木材を使用するようにしています。天然乾燥だけだと、どうしても水分が抜け切れていない場合が多いからです。今の住宅は気密性が高く、昔よりも部屋が乾燥しています。なので、充分に水分が抜けた木材を使用するほうが割れなどの変形が起きにくいのです。

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現在新しい木材乾燥庫を設置工事をしています。もうまもなく完成予定です。ソリウッドではこれの他にも2台の木材乾燥庫を持っています。いずれも小規模な乾燥庫ですが、板を乾燥させる力は充分にあります。こうした木材乾燥庫を利用して木材を乾燥させて耳つきテーブルを製作していきます。

瑞木@相模湖

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