2016.10.01

耳つきテーブル天板用の板は低温乾燥庫でじっくりと乾燥させています。【No.1693】

10月になってしまいましたね。2016年もあと3ヶ月と考えるとちょっとビックリしちゃいます。10月ともなれば随分と涼しくなってきますね。秋から冬にかけては木を切るシーズンになります。木材と使用する木を切る場合は秋から冬に伐倒するのが普通です。春から夏の時期は、木は水分をたくさん吸い上げています。内部の動きが激しい時期よりは落ち着いた時期に伐倒するほうが安定するわけですね。というわけでこれからの時期は材木市場に新物の丸太や板が並ぶことになります。

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ソリウッドで製作・販売している耳つきテーブル天板に使用する板は材木市場で仕入れてきています。材木市場には丸太や製材された板がたくさん並んでいます。現在は主に製材された板を仕入れています。

製材されたばかりの板は水分をたくさん含んでいます。製材された瞬間から水分が抜けていきます。水分が抜けると当然体積が減ります。体積が減ることによって板が割れたり、反ったりしてしまいます。乾燥の段階で板が割れたり、反ったりしてしまうのは仕方のないことです。ただ、割れたり反ったりすることで効率よく使用することが出来なくなってしまいます。なので、なるべく割れたり、反ったりしないように乾燥させたいというのが木材を扱う仕事をしている人にとっての願いです。

木材の乾燥についてはいろいろと研究が進んでいます。が、完璧な木材乾燥方法というのは確立されてはいません。現段階では完璧に割れや反りがでない木材乾燥というのはありません。今後も完璧な木材方法というのは開発されないだろうなと思っています。

木材の乾燥はどちらかというと材木屋さんの仕事になります。材木屋さんにもいろいろな業態がありますが、丸太を仕入れて製材して、乾燥させて売るというのが典型的な材木屋さんの仕事です。材木屋さんは中間業者になりますが、ただモノを横から横へ流している訳ではありません。乾燥という仕事をすることで木材の価値を高めています。ただ、乾燥にはリスクも伴います。なので乾燥をさせた板というのは付加価値があるので価格が高くなります。なので、木材の仕入れ価格を抑えるためには乾燥を自分たちの手で行う必要があります。

ソリウッドでは木材乾燥庫を導入して、自分たちで木材乾燥も行っています。使用する全ての木材を自分たちで乾燥させること難しいので、一部の板のみ自分たちで乾燥させています。主に耳つきテーブル天板用の板を自分たちで乾燥させています。
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ソリウッドで導入している木材乾燥庫は低温(30℃~45℃)で乾燥させるタイプのものです。木材乾燥庫には高温、中温、低温というに区分される事があります。高温で乾燥させるタイプは100℃近い温度で短時間で乾燥させます。高温にするのでその分木材に負担をかけることになります。温度が低くなればなるほど木材への負担を少なくなります。一般的には中温(60℃~70℃くらい)の乾燥庫が普及しています。ソリウッドでも以前は中温タイプの乾燥庫を使用していました。中温タイプに比べると低温タイプの乾燥庫は乾燥時間は掛かりますが、木材への負担は少ないように感じます。

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木材の乾燥具合は木材水分計で計測します。室内で使用される家具に使用する場合、含水率は10%以下が適していると思います。なので、含水率が10%以下になるまで乾燥庫に入れておきます。上の写真は乾燥庫に入れてあるウォールナット材の含水率を計測したときのものです。 含水率が13.2%となっています。もう少し乾燥が必要な状況ですね。このように水分計でこまめに含水率を計測して乾燥具合を管理しています。乾燥庫から取り出す場合は1枚1枚の板の含水率を計測して乾燥がしっかりできているかを確認しています。

瑞木@相模湖

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