2014.03.05

ストレートカットと耳つきはどちらが良い?

「ストレートカットと耳つきはどちらが良いですか?」と質問を受けることがあります。

この問いに関する答えは、単純な優劣はないというのが適切と考えています。ですが、無垢テーブルを検討している方は気になる点なので、今日はこの質問を深堀していきます。この質問は大まかなものですが、意味あいとしてはこれからあげる3つがあると考えます。

ひとつは「質はどちらが良いのか?」という意味あい、「どちらかを選ぶ事によって失われる機能があるのか?」、「そもそも違いは何なのか?」この3つぐらいが考えられます。

まずは「違いは何なのか?」ということに答えます。

無垢材のテーブル形状の違いです。耳つきというのは、樹皮のカタチをそのまま活かして製作された天板のことです。ストレートカットとは、耳の部分を切り落とした状態の板を使って製作された天板のことです。つまり、見た目の形状が大きな違いということになります。

一般的な印象としては、耳つきがよりナチュラルで木の魅力をより感じる、ストレートカットは、スタイリッシュで飽きがこないという印象が強いです。

ここからは細かいことなのですが、実は耳つき天板が作りやすい樹種作りにくい樹種というのがあります。これは木の性質というよりは、流通形態の違いが大きく影響します。ソリウッドでは耳つき天板は出来るけど、ストレートカットの天板は製作出来ない(耳つきテーブル用の板の耳部分をカットしてストレートカットにするという方法をとることはできます)という樹種があります。代表的なのはトチ材とケヤキ材です。どちらも日本を代表する樹種で長い間無垢テーブル用の天板として親しまれてきた木です。これらの木は比較的大きなサイズになる木なので、昔から1枚板などそのまま使われることが多かったので、流通形態もそのようなカタチになります。ソリウッドでは、トチやケヤキは原木市場で耳つきの状態で仕入れます。特にトチは木目の個体差が激しいこともあり、ストレートカットに使われるような幅30cm以内で製材されることは滅多にありません。

逆に耳つき天板が作りにくい樹種は、ナラ材です。ナラは流通量そのものが減少傾向にあります。これは耳つき板として商品価値がでるような幅の広い板が少なくなってきたということを示します。それ以外にも、ナラ材の持つ性質故の理由があります。ナラ材は乾燥過程において耳の部分に虫が入りやすいのです。ただし、しっかりと乾燥が済んでしまえばそういった状態ではなくなります。テーブルになってしまえばそういった心配はなくなります。入手した時点では、キレイな耳つき板でもしばらく外に置いておいたりすると虫が入って耳の部分が使えなくなってしまうことがあります。とはいえ、ナラ材の耳つきテーブルも製作実績があります。ただし、今となってはかなりレアといえるでしょう。

ナラ材の耳つきテーブル

上の写真は以前納品したナラ材の耳つきテーブルです。タイミング良く、状態の良い耳つきの板が見つかったのでご希望に添えるテーブルが出来ました。

ひとつ目の質問の回答が長くなってしまいましたが、2つ目の回答に移ります。

これは機能面の違いですが、機能面においては違いはないといえます。ただし、耳つき板の場合、奥行きの寸法が場所によって違います。板の形状においては、最も広いところと狭いとこの差が10cm程度になる場合があります。置くスペースにも影響するので、ここは注意が必要です。

最後の質の違いですが、これも差はないと言い切れます。ソリウッドの場合、仕入れから乾燥までの工程で耳つきとストレートカットの天板の工程で違いがありますが、実際の製作工程においての違いはありません。したがって質につながる構造部分にも違いはありません。選ぶ際は、見た目の好みで判断して頂いて大丈夫です。

質の違いはありませんが、価格は少し違いがでてきます。一般的に同じサイズ、同じ樹種のテーブルで比べた場合、耳つきのほうが少し高くなります。これは、耳つき板のほうが幅が広い板を使うことが多いことが影響しています。通常、板は幅が広ければ広いほど値段が高くなる傾向にあります。

結論としては、はじめに書いたように見た目の好みで選んで頂くのが良いと思います。後に述べたその前提になる部分は参考程度にご覧ください。もっと細かいところが知りたいという方は別途お問い合わせください。

賢木@吉祥寺

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