2018.06.02

だんだんと色が変化していく熟成感が味わえるのがチェリー材の特徴。【No.2302】

5月も終わり、6月に入りました。そろそろ梅雨入りなんですね。ジメジメした季節は無垢材を扱う我々にとっては、なかなか大変な時期です。無垢材は周りの湿度に応じて、水分を吸収したり、放出したりします。その過程で、伸びたり、縮んだりします。伸び縮みの影響で、板が反ったりすることもあります。伸び縮みがひどいと割れることもあります。製作前に十分に乾燥されている材を使っていれば、問題になることはありません。多少伸びたり縮んだりしても、家具として大問題になることは少ないです。でも、気をつけていないと製作過程で板が反ったりして加工に不具合が生じることもあります。

さて、今日はチェリー材について書きます。ソリウッドでは、ウォールナット材に並んで人気のある樹種です。一般的な知名度はそれほど高くないかもしれませんが、高級家具材として評価の高い樹種です。ウォールナット材とチェリー材は木材産地が近いこともあって一緒に取り扱いされることが多いです。無垢材家具屋さんでもウォールナット材を扱っている所ならチェリー材も扱っていることが多いと思います。でも、近年はウォールナット材の陰に隠れてしまっている感じします。

チェリー材の最大の特徴は、経年による色変化の度合いが大きいことです。どんな木材でも、経年による色変化は起こります。主に日焼けがその要因です。長年使用しているテーブルをよく見てみると表面と裏面では色が違うはずです。表面には陽が当たるのでどうしても日焼けします。でも、チェリー材の色変化は日焼けだけではありません。空気に触れていると色がだんだんと濃くなっていきます。陽に当たっていない面も色が濃くなるので、単に日焼けによる色変化だけではないはずです。(もちろん陽の光の影響はありますが…)

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完成したばかりのチェリー材はこんな色をしています。少しピンク色がかったオレンジ色をしています。これはこれで綺麗な色ではありますが、ここからだんだんと濃くなっていきます。

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これは私が自宅で使用しているチェリー材のMAYチェアです。購入してから3年ほどが経過しています。肘掛けの部分が濃い茶色になっています。ここの部分も元は上の写真のようなオレンジ色をしていました。「本当?」という声が聞こえてきそうです。

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これが納品された時に撮影した写真です。正真正銘、全く同じ椅子です。納品の時はこの色をしていましたが、現在では上の写真の色をしています。劇的に色が変わっていますよね。これがチェリー材の特徴です。木は少なからず時間が経つと色が変わるという話をしましたが、ここまで劇的に色が変化する樹種は少ないです。

チェリー材は艶のある濃い茶色に変化していきます。使えば使うほど色が変化する革素材に似ているかもしれませんね。熟成感があります。この熟成感がチェリー材の魅力です。この色変化を止める方法はありません。空気に触れていれば自然と色が変わっていきます。なので、完成時のチェリー材の色が良いと思われていてもその色をキープすることはできません。ただ、表面を削れば元の色が出てきます。が、それも空気に触れていればまた色が変わっていきます。

チェリー材は北米産の木材で、アメリカンチェリー材、ブラックチェリー材と呼ばれることもあります。ソリウッドでは単にチェリー材と呼んでいます。その名の通り、桜の仲間です。日本に生えている桜とはちょっと違った種類のようです。日本の桜で家具用材として使われるのはヤマザクラです。日本の野山には結構生えています。新緑の時期に山の中に点々と咲くヤマザクラをよく見かけます。でも、木材としては供給量が多くなく、良材を手にいれることは難しくなってきています。その点、北米産のチェリー材は供給量が多く、安定して入手することができています。材の質も均一的で、ロットによる極端な差はありません。もちろん、一枚一枚の個体差はあります。が、全体として質がある程度まとまっていると思います。

ソリウッドでは、テーブルに限らず椅子や棚、テレビボードなどもチェリー材で製作することが可能です。リビングダイニング空間もチェリー材で揃えることもできます。

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