2016.08.10

無垢材のダイニングテーブルを選ぶ際の3つのポイント その2【No.1641】

先日のブログで「無垢材のダイニングテーブルを選ぶ際の3つのポイント」というエントリーを書きましたが、ポイントの1つ目の途中になっていたので、その続きを書いていきます。前回は、材の硬さという点で針葉樹より広葉樹のほうが一般的に硬さがあるので、ある程度表面の強度が必要なダイニングテーブルの場合は、広葉樹を選ぶほうが良いということとオイル仕上げなどの液体性の強い塗料を浸透させる仕上げ方法だと木部の構造による肌触りの違いが出てくるところまで書きました。樹種を選ぶ上で最も重要になるのが色味だと考えます。無垢材のダイニングテーブルは長く使うことを前提に検討されている方が多いと思います。そういった観点でみると、やはり見た目が気にいったものでないとなかなか長く使うことは出来ないと思います。

木材には、樹種ごとに木が持つ本来の色味というものがあります。ダイニングテーブルの場合、この木が持つ本来の色味を活かしたクリアな仕上げと意図的に色をつける着色の2つの仕上げ方法があります。クリアな仕上げの場合、元々の色味がそのままテーブルの色味ということになります。大きくわけると、4つの色味に分類できると思います。

1つ目は淡黄土色・薄い茶色系です。木製の家具と聞いて思い浮かべる方が多いのが黄色みがかった色味ではないでしょうか?ここに分類されるのはタモ、ナラ、ニレ、セン、クリといった材です。色味としては明るめで木目もはっきりしている材が多く、雰囲気としてはナチュラルな印象が強いのも特徴です。

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こちらはクリ材で製作した耳つきのテーブルです。

2つ目は白系です。代表格はメープル、カエデ、ブナ、トチといった樹種です。メープル・カエデはクリーム色に近い白、ブナは赤いが少し入った白褐色、トチは樹皮に近い部分がややクリーム色がかった色味で、中央部分は明るめの茶褐色をしているのが特徴です。白系の樹種は全体的な印象は、軽くポップな雰囲気を醸し出しますが、メープルやブナといった木は、広葉樹の中でも比較的硬く重い部類の木になります。また、北欧系の家具によく使われています。最近ではヨーロッパなどでとれるシカモア材といったメープルに似た樹種も目にするようになりました。

3つめは赤味がやや強い木材です。よく使われるのは、ブラックチェリー、ケヤキ、マホガニー、ブビンガといった樹種です。チェリーやケヤキは赤というよりはオレンジがかった感じの色味になります。マホガニーやブビンガといった材はもっと赤が強い樹種です。特にブビンガ材は赤道に近い中央アフリカに多く生育している木で、幹周りが1メートルを超えるものも多く、樹高は30メートルに達する巨木です。大きな板がとれるので、商業施設やカウンタートップなど大きな天板に使うことが多いです。10数年前は価格も安く手に入ったので、ソリウッドでも多く扱う樹種でしたが、近年では値段が高くなり、大型の案件も少なくなっていることからブビンガ材の仕事はかなり少なくなっています。

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赤味の強い材の代表格のブビンガ材のテーブルです。色味だけでなく複雑な木目も特徴のひとつです。

最後はこげ茶系の色味です。こげちゃ色のような濃い茶褐色になります。この分類の代表格はブラックウォールナット材です。深みのある独特な雰囲気を持っているウォールナット材は最も人気のある樹種になっています。ウォールナット材よりも濃い色味になるのが、モンキーポッド、ローズウッド、黒檀といった樹種です。モンキーポッドは大きな板がとれるので、1枚板の耳つきテーブルの天板としよく使われています。ローズウッドや黒檀は稀少な材で価格も高い材になります。

以上4つの色味で大体の樹種は分類が出来ると思います。樹種の最終的な決め手は、他の家具や床や建具といった周りの雰囲気とあわせてしっくりくる色味となると思います。比較的他の家具と合わせやすいのは、淡い黄土色系の樹種だと思います。ウォールナットなどは濃い色味の建具など合わせると落ち着いたシックな雰囲気を演出します。

ダイニングテーブルを選ぶ際の3つのポイントのうち、一つ目のポイントである木の樹種については以上になります。サイズや仕上げについては続きを別の日に書こうと思います。

続く

賢木@吉祥寺

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