2016.08.17

無垢材のダイニングテーブルを選ぶ際の3つのポイント その5【No.1648】

ここ数日、私の順番では無垢材のダイニングテーブルを選ぶ際の3つのポイント ということで「樹種」「サイズ」「仕上げ」の3点で考慮すべきところを書いてきました。14日に書いた「仕上げ」の項目では、無垢材テーブルでよくあるオイル仕上げとウレタン塗装の違いについて【見た目と触り心地】【強度】2つの観点でまとめました。今日は最後の【メンテナンス】について書きます。

見た目のところでも書きましたが、最近のオイル仕上げとクリアのウレタン塗装だと、パッと見ただけでは違いがわからないこともあります。ですが、仕上げの方法によって普段のお手入れや注意事項、メンテナンスの方法は全く異なってきます。

まずはオイル仕上げのメンテナンスをみていきます。オイル仕上げのテーブルは水に対してあまり強くありません。水に濡れるとオイルの抜けが早くなってきます。オイルが抜けると肌触りがカサついたり、色がついている液体をこぼすと染み込んで染みになってしまうといったことにつながってきます。ですので、普段は乾拭きか硬く絞ったふきんで拭いてください。注意して頂きたいのは水に濡れたものをしばらくおいておくと、跡が染みとして残ってしまうことです。濡れた場合でもすぐに布巾でふけば大丈夫なことが多いです。染みがつくのを防ぐには、コースーターやランチョンマットを使用すれば染みを防ぐことが出来ます。よく汚れを防ぐために「ビニールのマットやクロスのようなもので覆ってもいいですか?」と質問されることがあります。これについては、なるべくなら避けて欲しいと思っています。ランチョンマットぐらいでは問題ありませんが、天板の上面を覆ってしまうと、天板の表と裏で環境の差が出てきてしまい、伸縮の際に狂いの原因になってしまうからです。

オイル仕上げのテーブルは使っていくうちに徐々に表面のオイルが抜けてくるので、1〜2年に1回程度オイルを塗るメンテナンスをして頂くと、テーブルをリフレッシュさせることが出来ます。

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方法については、下のブログエントリーを見て頂くとわかるかと思います。

さあ、オイル塗装の無垢テーブルをメンテナンスしよう

また、その際に、#320ぐらいの紙やすりでやすってから、オイルを塗ると肌触りもよりスベスベになり、染みや細かい傷なども目立たなくなります。作業自体は難しいものではないので、ぜひチャレンジしてもらいたいと思います。また、ソリウッドの吉祥寺ショールームでも2ヶ月に1回、オイル仕上げのテーブルメンテナンス講座を開催していますので、日程の都合があうようであればご参加頂ければと思います。

ウレタン塗装のテーブルの場合は、水に対する注意はほとんど気にする必要はありません。水拭きをしたり、底が濡れたコップをしばらく置いておいても染みになるということはほとんどありません。注意して頂きたいのは、熱いものを置く際です。火にかけた直後の鍋ややかんをそのまま置いてしまうと、表面が白く濁ったような跡がついてしまうことがあります。ですので、熱いものを直接置くことは避け、鍋敷きを使うようにしてください。

ウレタン塗装のテーブルはオイルに比べるとやや強い塗装ではありますが、傷がつかないということはありません。何かを落としたり、尖っているものをひきずったりするとやはり傷はついてしまいます。

ご自宅でのメンテナンスということであれば、ウレタン塗装の場合は特にすることがありません。逆にいうと、簡単な作業で補修してリフレッシュさせるということができません。この点がオイル仕上げとの最も大きな違いです。ウレタンの場合、10年15年時が経つと、徐々に表面のプラスチックが劣化してきて、剥がれてしまうということがあります。こうなってくると、見栄えが悪くなってしまいます。

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これを補修しようとすると、テーブル表面のウレタンを機械で削り落とし、もう一度再塗装を施す必要がでてきます。ご自宅では到底出来る作用ではありませんの、工房に一度持って帰って作業をしなくてはいけません。再塗装をすれば新品同様に蘇りますが、時間と費用がかかってしまいます。

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先ほどの画像のテーブルを再塗装したのが上の画像です。見違えるほどキレイにはなります。

ウレタン塗装のテーブルを選択する際は、こうした状況になることを予め知っておかなければ思わぬ出費になってしまう恐れがあります。

最終的にオイルかウレタンを選ぶ際は、お客様が何を重視してテーブルを選ぶかという点になってくると考えます。自然な質感を楽しみたい方、無垢材ならでは仕上げにしたいとお考えの方、メンテナンスをしながら愛着をもってテーブルを使いたいという方は、オイルのほうが良いでしょう。反対に、普段は気兼ねなく使いたい、定期的なメンテナンスをするのが面倒と思ってしまう方はウレタン塗装を選択するほうがストレスは少ないと思います。

賢木@吉祥寺

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