2016.08.09

木材の流通や形態について。【No.1640】

昨日は私の友人が講師をしている専門学校の生徒さんが工房に見学に来ました。素材研究の授業で各自テーマを決めて課題を製作するそうなのですが、2名の学生さんが”木”をテーマにするそうです。というわけで木について私が知っている事を話させてもらいました。2名とも熱心でメモと写真を取りながら聞いていました。建築インテリア関係の専門学生なので、いろいろな素材に触れていると思いますが、その中から木に興味を持ってくれる学生さんがいることは嬉しいです。

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木材の乾燥についても私の経験したことを中心に話しをしました。木材乾燥庫も実際に見てもらいました。ソリウッドにある木材乾燥庫は少し特殊ですが、恐らく学生さんは木材乾燥庫という物を初めて見たと思います。木を使うためにはこうした前段階が必要なんだという事を実際に見て知ってもらうことは我々にとっても良いことです。

木は我々の身近にありますが、意外と知らない事だらけです。私もこの仕事をするようになってから知ったことがほとんどでした。特に製品になる前の行程は多くの人にとってブラックボックス状態なのではないでしょうか?どういう行程を経て製品になるのかといった情報を発信していくのも作り手の重要な役割だと思っています。

というわけで今日のブログは木材の流通や形態について書いてみます。ソリウッドの定番商品に使用している木材は外国産です。チェリー、ブラックウォールナット、メープルは北米産の木材です。ストレートカットテーブルに使用している木材は伐採後に現地で製材され、人工乾燥まで行われて日本にやってきます。

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こちらはウォールナット材のバンドルです。北米産の乾燥材はこのように何枚かの板をバンドでまとめた状態で日本に入ってきます。材木屋さんもこうしたバンドル単位で輸入しています。1つのバンドルで厚みは全て一緒です。上の写真のバンドルは厚みが6/4インチ(約38mm)です。長さは揃っている場合もありますし、2種類ぐらいの長さが混じっている場合もあります。右端に”PRIME#と印字されているのが分かると思います。これはこのバンドルの木材の等級を表しています。日本に輸入される北米産の多くはこの”PRIME”等級です。北米産の木材はいくつかの等級に分けられていますが、”PRIME”という等級は輸出向けの等級で、アメリカ国内で流通する1番よいグレードのものと変わりません。こうしたバンドルがコンテナに入れられて日本にきます。輸入商社の倉庫に様々な樹種の木がバンドル単位でたくさん並べてあります。何度かそうした倉庫を見学したことがありますが、天井までうずたかく木材が積まれている様子は壮観です。

バンドルの中の板の幅は様々です。5(約120mm)インチから8インチ(約200mm)ぐらいの板が多いです。もちろん材種によっても違います。バンドルで購入すると中身の明細書がついてきます。
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数字が何を意味するか追記しました。これを見るとこの長さでこの幅の板が何枚バンドルに入っているのかが分かります。例えば、長さが8フィート(約2400mm)で幅6インチ(約150mm)の板が20枚あるといった感じです。ただし、幅は乾燥前の計測なので、乾燥後は縮んでいます。一度この明細と実物を照らし合わせてみた事がありますが、どれがどの幅にカウントされているのかが分からなかったです。なのでこの明細は参考程度にしかなりません。

タモやナラはロシア産のものが多いです。これらは丸太のまま日本に輸入されて日本の製材所で製材や乾燥が行われています。なので北米産の木材と違って日本の単位で製材されています。だいたい厚みは27mm、34mm、45mmといった感じです。慣れないインチ表記ではないので日本人には接しやすいです。

耳つきテーブルに使用するウォールナットやチェリーの板も丸太のまま日本に入ってきています。ウォールナットやチェリーで耳つきの製材された板がアメリカから日本に入ってくることはありません。これらの材の耳つき板を得るためには丸太のまま輸入されてくる材を製材するしかありません。なのでソリウッド製作している北米産木材の耳つきテーブルは全て日本国内で製材された板を使用しています。これらの板は未乾燥な状態で仕入れてソリウッドで乾燥させています。最終的には木材乾燥庫に入れて含水率を充分に下げてから使用します。

瑞木@相模湖

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