2016.08.14

無垢材のダイニングテーブルを選ぶ際の3つのポイント その4【No.1645】

これまで3回に渡って無垢材のダイニングテーブルを選ぶ際の3つのポイントということで、「樹種」と「サイズ」の2つのポイントを3回にわけて書きました。今日は最後の3つ目のポイントである「仕上げ」についてまとめてみます。無垢材のダイニングテーブルの場合、仕上げが選択できる場合が多くあります。主な2つの仕上げは「オイル仕上げ」と「ウレタン塗装」になります。2つの仕上げの特徴は以下になります。

オイル仕上げはその名の通り、「オイル」を木部に浸透させて保護する仕上げ方法です。ここで使うオイルは亜麻仁油を主原料として他のミネラル成分を加え家具用に調合したものです。日本で多く使われているものはドイツ製のものが多くて、メーカーによって多少の成分やオイルの粘度、匂いなどに違いはありますが、主な性能やメンテナンス方法などに大きな違いはありません。ソリウッドでは、ドイツのリボス社という会社が製作しているオイルを主に使用しています。

一方、ウレタン塗装とはプラスチック性の樹脂膜を木部の上に張って保護する塗装方法になります。オイルと最も違う点はこの塗膜をつくるという点です。オイル仕上げより強く保護することが可能ですが、自宅でのメンテナンスなどはやや劣る部分があります。この辺は後ほど詳しく書こうと思います。

2つの仕上げ方法の違いを【見た目と触り心地】・【強度】・【メンテナンス】の3つの観点からみていきます。

【見た目と触り心地】

オイル仕上げの多くはマット〜半ツヤの仕上げで、オイルを塗る回数や素地を仕上げる程度によってツヤ感が変わってきます。ここは製作する家具メーカーによって違いが出てくる点でもあります。ウレタン塗装はやや光沢のある見た目になります。昔のウレタン塗装は厚くウレタンを塗ることでテカテカとツヤが強い仕上げになっていましたが、今では薄く塗膜をはることでテカテカ感があまり出ないようにすることが出来るようになっています。ソリウッドでもウレタンを薄く塗ることで、あまりツヤが出ない仕上げが可能です。ですので、パッと見ただけでは、オイル仕上げとウレタン塗装の違いがわからないという場合もあると思います。

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触り心地についても少し違いがあります。言葉では表現しづらいのですが、オイル仕上げはスベスベ、ウレタン塗装はツルツルと表現するのが良いかなと思います。触ってみるとオイル仕上げのほうが自然な質感でしっとりとしています。オイル仕上げは木部に直接浸透させているので、樹種の部分で説明したように環孔材と散孔材によって少し肌触りが違います。環孔材は導管が表にでてくるので、触ると微妙な凹凸を感じます。

ウレタン塗装の場合は、環孔材の微妙な凹凸を感じることなく、のっぺりとした肌触りになります。

【強度】

強度については多くの方が気になっていることだと思います。まず、衝撃やひっかき傷に対する強度はそこまで大きな違いはありません。以前に、先が尖っている鍵で同じくらいの力をかけてひっかいてみました。その結果は、オイルでもウレタンでも同じように傷がつきました。モノを落とす衝撃に対しても、結果はほぼ同じでした。違いがあるのは水に対しての強さです。オイル仕上げは水に対してあまり強くありません。底が濡れたコップをしばらく置いていると、コップの跡が染みのようについてしまうことがあります。また、テーブルを使っているうちにオイルがぬけてきて肌触りがざらついてきます。こうなってくると、染みがつきやすくなってきますので、1年から2年に1回くらいオイルを塗ってリフレッシュさせると肌触りが戻ります。

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こちらは使い込んで、ところどころ油染みのような跡がついています。こうなっても紙やすりをかけ、その後でオイルを塗るとほとんどの染みはわからなくなり、肌触りも出来た当初のスベスベ感が戻ってきます。

ウレタン塗装の場合は、普段の使用に関してはオイルよりも強度が強いということがいえます。ですが、10年から15年ぐらい使っていくとウレタンが劣化して塗装がはげてきてしまいます。塗装がはげてくると見た目はかなり悪くなります。オイル仕上げのテーブルと染みとウレタン塗装が剥げたテーブルを比べるとウレタン塗装の剥げのほうが、見た目的に劣化し残念な感じになると個人的には思っています。

最後の「メンテナンス」については、その5で続きとして書きます。

賢木@吉祥寺

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