2014.11.07

トチ材が最近気になる!

トチという木をご存知ですか?

漢字で書いたほうが親近感がわくという方もいるかもしれません。漢字で書くと「栃」になります。余談になるますが、栃木県の県木はもちろん「栃」です。

日本では東北を中心とした東日本に広く分布している木です。山だけでなく街路樹としても植えられているので、身近に感じている人も多いでしょう。立っている状態での特徴は、落葉広葉樹で、とても大きく成長する木です。大きいもので高さ30メートル、幅2メートルに及ぶものもあります。また、種子は「栃の実」といわれ、食用にもされる。実のカタチはクリの実にも似ています。

栃は、立ち木としてだけでなく、製材された板としても古くから親しまれている木です。特にテーブルの天板として使われることが多い樹種で、輸入材の人気が高まる昨今でも、高い人気を維持しています。その理由は、

幅が広く1枚板もしくは2枚はぎで迫力のある天板が出来るからでしょう。

逆に細く製材され、バンドルといわれる1つにまとめて流通されることは滅多になく、テレビボードや収納など箱物の本体に使われることはほとんどありません。幅の広さだけでなく、1本1本個性の強い木目がでるため、細かく接いで使おうとするとガチャガチャな印象になってしまうのも理由のひとつです。

トチ材の木目は、全体的に黄白色ので、中心部と辺材の境目は不明瞭です。中には中心部分が褐色のものを目にします。材木市などでは、褐色が入っているよりも、黄白色のみの板のほうが値が高くなります。

さて、今日のブログエントリーは「トチ材が最近気になる!」ですが、その題名通り、個人的にちょっと注目しています。その理由は、

個性的な板が多い故に、注文がとりづらいからです。

「注文がとりづらい」のはなぜか?ということを説明していきます。

現在吉祥寺ショールームにはW1650mmの耳つき2枚はぎテーブル天板が1台、家族みんなのデスクが3台展示してあります。実際、見てもらうとわかるのですが、4つの天板がそれぞれ全く違う印象の天板です。真ん中に赤茶色の部分があり、外側は白く淡白な木目のものもありますし、全体が白っぽい繊細な印象の木目もあります。さらには、ひゅ〜と筆で線を書いたような模様がでているものもあります。トチ材と書いていなければ同じ材と気づかない人も沢山いるでしょう。

個性的な板が多いトチだと少し困ったことが起こります。展示している1つのトチ材の天板が気にいったお客様がいるとします。木目の表情や色味は好みのど真ん中なんですが、サイズがどうしても合わない。そこで、同じような表情でサイズ違いでオーダーしたいと要望を受けます。

例えば、ウォールナットやチェリーのような樹種ですと、それぞれの木目は違えど、全体的な印象は似たようなものが製作できる可能性は高いです。ところが、トチだとそうはいきません。ソリウッドでもテーブル天板になるようなトチ材の在庫はありませんが、同じような木目がでるものを見つけるのは難しいのです。全体が白っぽい板もあれば、真ん中の赤身が強烈なインパクトのある模様をしているものもあります。現状では、同じような印象のものを提案できないこともあります。でも、もしかしたらこういった模様のものも気にいってもらえるかもしれないという思いであえて違った印象のものを提案することもあります。これもトチ材の面白いところなんです。そういった意味で、営業担当としてお客様の想像を超える提案ができる可能性が多いになる樹種として、目が離せない、どうしても気になってしまう樹種なんです。

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これもトチ材ですし、

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これもトチ材です。

賢木@吉祥寺

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