2015.09.24

今オススメするのは、チェリー材【No.1320】

吉祥寺ショールームへお越しのお客様と話をしていると「オススメの材とかありますか?」と質問を受けることがあります。こういった質問は居酒屋屋さんとかでもよく聞きます。おそらく居酒屋さんでは「シェフ自慢のレシピ」や「旬の食材」を使っているものなどを「今日のオススメ」としていることが多いと思います。無垢材の場合、樹種によって採れる季節が違うっといったことがありません。大抵は秋から冬にかけて伐採、製材されることが多いです。さらには、製材された後、実際に家具に使うには乾燥が必要です。乾燥するには決まった期間があるわけではありません。木材に含まれる水分の量が少なくなるまで待つ必要があります。そうなると、新鮮な材がありますといった売り文句も使えないわけです。

そこで、「オススメの材は?」といわれた場合個人的に好きなチェリー材とメープル材と答えるようにしています。特に今はチェリー材をオススメしています。オススメする理由のひとつは、チェリー材が持っている素晴らしい個性です。チェリー材の最大の特徴は、経年変化です。削った当初は淡いピンク色の色をしています。時が経つにつれ色が濃くなりオレンジがかった茶褐色に変化していきます。大体、半年もすると色が変わってきます。その後は色が濃くなるペースが遅くなり徐々に濃くなっていきます。さらに、チェリー材はオイルで仕上げると、スベスベとした心地良い肌触りになります。

もうひとつ、今チェリー材を推す理由があります。それは、良材の供給量と価格が安定している点です。チェリー材と呼んでいるのは、北米産のブラックチェリー材のことです。果実はスーパーでも売っているので日本人の我々にとっても身近な存在の木といえるかもしれません。ソリウッドでは、北米の産地で伐採され、現地で製材され乾燥している材を購入することが多いです。この場合、バンドルといわれるある一定量を購入することになります。このバンドルの中には、現地の基準で選りすぐられた板がまとまってはいっています。材を使うものにとって、一番良いのは、同じようなグレードで色味が揃っている、節や白太といった場合によってははじかなければいけない部位が少ない歩留まりの良い材がより多いことです。

現在では、同じような購入をしているウォールナット材と比べると、チェリー材のほうがバンドルの中で使いやすい材が多い傾向にあります。逆にいうと、現在ウォールナット材は良い材をなるべく安い価格で入手することが難しくなっているともいえます。ひと昔前は、価格的にもウォールナット材よりもチェリー材のほうが高いということが一般的でした。最近では、それが逆転しています。

こういった背景があるので、お客様的にもチェリー材を選択しやすい状況に今はあると考えています。天然素材の良さともいえる経年変化を愉しみたい方、あまり濃くなく程よい色味がある材を探している方には、チェリー材は最適な材だと思います。

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こちらは以前納品させて頂いたチェリー材のテーブルとisu-worksさんのENNチェアの納品事例です。まだ、色が薄い状態ですが、これから徐々に色が濃くなっていきます。こちらのお宅の床材はナラ材系の比較的明るいフローリングでした。こうした淡い茶褐色系のフローリング材にも合って、温かい印象のお部屋になります。

賢木@吉祥寺

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