2016.03.31

無垢材の樹種を選ぶ際には、経年変化も確認しておきましょう【No.1509】

無垢材テーブルを選ぶ際に、樹種で悩まれる方もいらしゃるかと思います。月に1回開催している無垢材テーブル選び方講座や普段の接客の際には、「ある程度の硬さがある広葉樹の中で、色や触り心地(オイル仕上げの場合)の好みで選ぶのが良い」という話をさせて頂いています。木材の色は、ウォールナット材やチーク材に代表される濃い茶褐色のもの、ナラ材やタモ材など薄い黄褐色のもの、メープル材やブナ材のように白が強い淡い白褐色、チェリー材やアフリカ材などに見られる赤味が強くでる赤茶褐色と4つぐらいにブ分類が出来ます。お部屋の雰囲気や他に合わせる家具の色味によって、色から絞り込むのも1つの手だと考えます。

木材の色味を考える上で、ひとつ注意する必要があることがあります。それが経年変化です。他の素材でも経年による変化というものがありますが、木材も樹種によっては購入当初から比べると、時間が経つにつれ色が変わり違った印象になるものがあります。その木材が経年でどう変化するかというのも購入の際に頭に入れておくと、後々後悔するといったことはなくなると思います。今日は無垢材の経年変化について書いていきます。

木材の色の変化は様々な要因が考えられていますが、最も強く影響しているとされているのが紫外線です。光に含まれている紫外線が木材にあたると、木の構成要素の1つであるリグニンという成分が紫外線をキャッチし、分解します。その過程で木材の色が変化するといわれています。

色の変化は木材の種類によって異なります。色の変化でも、色がだんだん濃くなっていくものもあれば、逆に色が薄くなっていくものもあります。色が濃くなっていく木材の代表格がアメリカンブラックチェリー材です。ソリウッドでは、チェリー材と呼んでいます。チェリー材は、板を削った当初は薄いピンクがかった淡い色をしています。ですが、表面が空気に触れることによってすぐさま色が濃くなっていきます。オイル仕上げのチェリー材の場合、製作から半年もすれば色が変わってきたことがわかるようになります。吉祥寺ショールームに、片面は空気に触れないように同じ面をずっと下にして置いているチェリー材の椅子の座面があります。もうすでに1年〜2年が経っていますが、裏側はまだ出来た当初と同じように薄いピンクがかった色をしており、反対に返すと色が着き始めたオレンジ色っぽい茶色の面が見えます。経年変化のビフォーアフターをみてみると、色味は全然違う印象になります。

チェリー材と同じように、色がだんだんと濃くなっていき当初とは雰囲気が変わってくる樹種としては、針葉樹ではありますがスギ材などが挙げられます。スギ材も初めは白っぽい色味をしていまうすが、徐々に飴色といわれるような少し艶がかった濃い茶褐色に変化していきます。

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これは先日納品させて頂いたチェリー材のストレートカットテーブルです。先述したように、まだ紫外線にさほどあたっていませんので、全体的に薄めな色をしています。半年もすれば色が濃くなっていくでしょう。

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こちらは3年ほどが経過したチェリー材のテーブル天板です。だいぶ色が濃くなるのがわかって頂けると思います。

逆に色が薄くなってくる材の代表格はウォールナット材です。出来上がった当初のウォールナット材の家具は黒紫色のように濃い色味をしていますが、徐々に黒っぽさが抜けてきて赤茶色のように変化していきます。チェリー材に比べると、色味が変わってきたなと感じるスピードは遅いですが、数年経てば色が変わったなと認識できるぐらいには変わります。

このように、家具やフローリングによく使われている木材でも経年による変化が激しいものがわりとあります。店頭でみた色が出来た当初から将来的に変わらないといったことではないものがありますので、このあたりは注意が必要です。無垢材の場合は、極端に変わることがなくても、長時間経てば少し色味が変化するものがほとんどです。気にいった色味の材が見つかった際は、経年による変化がどの程度で、展示してあるものがどのくらい経った状態なのかを店員さんなどに確認するのが良いでしょう。

賢木@吉祥寺

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