2014.04.18

刃の黒幕シリーズで新しい砥石システムを構築してみた。

※2017年7月3日追記:内容の追加と末尾に関連ブログエントリへのリンクを貼りました。

新しい砥石を購入しました。今回購入したのシャプトンの刃の黒幕シリーズ#1000と#5000です。そこで今日のブログでは砥石にスポットライトを当ててみようと思います。カンナやノミを研ぐ必要がある方はそんなに多くないですが、一度研ぎを覚えてしまえば、包丁を自分で研ぐ事も出来るようになります。和包丁だけでなくステンレスの包丁も砥石で研ぐ事が可能です。僕自身が使っているグローバルのステンレス包丁もカンナやノミを研いでいるのと全く同じ砥石で研いでいます。

〇天然砥石は仕上げ用だけが今でも多く使われています。

砥石には天然砥石と人工砥石があります。人工砥石が作られる前は当然、みな天然砥石を使用していたのでしょう。砥石はその目の細かさで荒砥石・中砥石・仕上げ砥石に分類されます。今では天然砥石が活躍する場はほとんど仕上げ砥石のみになりました。仕上げは天然砥石にこだわる人でも荒砥石・中砥石は人工砥石を使用する人がほとんどです。そのため、天然の荒砥石・中砥石を目にすることはほぼなくなりました。

天然の仕上げ砥石の性能は砥石ごとに違います。硬い砥石、柔らかめ砥石、研ぎ汁がたくさん出るもの、ほとんど出ないものと、千差万別です。そのため、刃物との相性が重要になってきます。刃物に使われている鋼や地金の種類によって合う合わないがあります。そのため、天然砥石を選ぶのはなかなか難しいのです。

人工砥石も刃物との相性はありますが、天然砥石に比べると適応の範囲は広いように思われます。人工砥石も各メーカーからたくさんの種類が出ていますが、人工的に製造されているので個体差は少なくなっています。

通常の研ぎでは中砥石と仕上げ砥石を使います。荒砥石は刃先が大きく欠けた場合や刃先の形を変えたい場合などに使います。滅多に使うことはありません。僕は人工の荒砥石を持っていますが、その出番はほとんどありません。なので、なにか入り用になれば購入すればそれで構いません。

〇中砥石で刃がえりが出たら、仕上げ砥石を当てる。

まず、中砥石でしのぎ面を研ぎます。刃先全体から刃がえりが出たら、中砥ぎは終了です。今度は仕上げ砥石で同じようにしのぎ面を研ぎます。仕上げ砥石では刃がえりをとるために刃裏をピッタリとつけて前後に数回動かします。しのぎ面と刃裏の研ぎを数回くりかえして、刃先まで砥石に当たっるようになったら研ぎは終了です。言葉で書くとこんな感じですが、実際の動きはやってみないと分からないと思います。

洋包丁の場合は刃の表裏がなく、両刃なので両方のしのぎ面を研ぎます。包丁メーカーのホームページには写真付きで研ぎ方を教えてくれるページがあります。包丁を研いでみたい人は参考にすると良いと思います。僕が使っているグローバル包丁を製造している吉田金属工業株式会社さんのWebサイトは分かりやすく説明してくれています。初めて包丁を研ぐ際に参考にさせてもらいました。→http://www.yoshikin.co.jp/j/maintenance/maintenance_01.html

〇シャプトンの刃の黒幕シリーズは固めで変形しにくい。

僕が使っていた中砥石はキングの#800です。よく研げますし、価格も安いので初めての砥石には最適です。使っていたキングの#800がだいぶ薄くなったので、それは丸ノミなどを研ぐための砥石として使う事にしました。今回は気分を変えてみようという事で違う中砥石を購入しました。キングの#800は良く研げますが、柔らかいので砥石の変形がすぐに起きます。頻繁に砥石の面を平らにしなければいけませんでした。

140418_3.jpg
刃先が丸いノミの場合、刃先のアールに合わせた凹みを砥石上に作ります。研いでいるうちに段々と刃先の形に砥石が凹んできます。(写真では少し分かりにくいですが、砥石の左側の色が明るい部分は丸い凹みが出来ています。)

シャプトンの刃の黒幕シリーズは砥石が固めで変形があまり起きません。#2000を使っていましたが、固めで減りも少なく感じていました。#2000でも研磨力が強く中砥石として使用できるのですが、なるべく研ぎ時間を少なくしたいので今回は#1000を選択しました。使ってみましたが、イイ感じです。やはり少し固めで研ぎ心地も良いです。研磨力も強くて早く刃がえりが出ました。

仕上げ砥石の#5000も研いでみました。はじめは多少研ぎにくい感じがしましたが、研ぎ汁が出てくると馴染んできます。研ぎ上がるとしのぎ面はピカピカ光ります。天然砥石で研いだときのようなしっとりした輝きにはなりませんが、研げている感じを伝わってきます。仕上げに工房にある天然砥石を使うとあまり気にならなかったのですが、評判の高い人工砥石であるナニワの純白#8000を使うと満遍なく砥石に当たるようになるまで少し時間が掛かります。そこで今回購入したシャプトン刃の黒幕#5000を間に入れてみる事を試してみます。しばらくこのシステムを試してみて上手くいけばいいかなと思います。
140418_2.jpg
まとめてみると

今まで
キング#800→(シャプトン#2000)→天然砥石またはナニワエビ印 純白超仕上砥石#8000

今回試してみた
シャプトン刃の黒幕#1000 → シャプトン刃の黒幕#5000 →ナニワエビ印 純白超仕上砥石#8000

となります。これで切れ味や切れの持ちに変化があるか観察してみます。

追記:
この砥石を購入してから3年が経ちました。シャプトン刃の黒幕#1000は現在もエース砥石(使用頻度の高い砥石)として活躍しています。中砥石としての研磨力が高く、減りや変形も少ないのでとても重宝しています。今では中砥石はシャプトン刃の黒幕#1000しか使っていません。使用頻度が高いためだいぶ薄くなってきました。砥石台のミゾより薄くなったので下に合板を引いて使用しています。

仕上げ砥石に関してはシャプトンの#5000よりも北山という砥石をよく使っています。北山は柔らかめで仕上げ砥石にしては研ぎやすいと感じいます。

砥石関連のブログエントリーへのリンクをまとめておきましたので興味がある方はぜひご覧ください。

砥石の面直しにはダイヤモンド砥石が便利で使いやすい。

人工の仕上げ砥石をいろいろと試しています。

ダイヤモンド砥石を使った砥石の面直しは簡単でオススメです。【No.1251】


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