2014.10.07

砥石の面直しにはダイヤモンド砥石が便利で使いやすい。

※2017年5月9日追記:内容の追加と末尾に関連ブログエントリへのリンクを貼りました。

ソリウッドのFacebookページに砥石の面直しのエントリーを載せたところ、見てくださった方が多かったのでより詳しくブログでも書こうと思います。

鉋(かんな)や鑿(のみ)といった道具を使いこなす上で刃を研ぐということは避けて通ることはできません。刃がうまく研げていないとせっかく買った高価な鉋や鑿も性能をうまく発揮することができません。刃をうまく研げるようになるためには何度も自分で研いでうまく研げるコツを掴むしか方法がありません。しかし、どんなに一生懸命研ぐ練習をしても砥石の面が平らになっていなければしっかり研ぐ事はできません。木工教室の生徒さんの砥石を見てみると結構変形している砥石が多いです。一般的には砥石の面直しの重要性が認知されていないと思っています。

できれば中砥石は毎回研ぐ前に面直しをした方が良いです。でも結構面倒くさい作業でもあるんですよね。皆さん、やらなくてはだめと思っていてもなんとなく”まだ大丈夫だろう”と信じてそのまま使っているように感じられます。なので、なるべく簡単に砥石の面直しができる方法をお教えします。

鉋や鑿といった大工道具だけでなく、包丁を研ぐ砥石にも有効な方法です。(基本的に包丁も大工道具も研ぎ方・砥石は一緒です。) ご家庭で包丁を研いでいる方で”最近うまく研げていない”と感じる方は砥石が変形していないかチェックした方がよいです。特に#800・#1000といった中砥石は柔らかいものが多く、柔らかければ柔らかいほど砥石は変形しやすくなります。広く普及しているキング印の中砥石は結構柔らかいです。

それでは砥石の面直しの方法に入っていきます。使用するのはダイヤモンド砥石です。僕が使っているのは#300のダイヤモンド砥石です。アイウッドというメーカーのものです。アマゾンなどの通販サイトでも購入する事が可能です。別にこれでなくてはならないということではないです。少し粗めのダイヤモンド砥石ならそれで構いません。僕が木工の訓練校に通っていた時に使用していたのがたまたまこのダイヤモンド砥石だったので、いまも同じモノを使用しています。訓練校で使っていたのはほとんどダイヤモンドが取れてしまって使い物にならなくなったので、今使用しているのは2代目です。

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これがそのダイヤモンド砥石です。ダイヤモンド砥石は堅くで表面が変形しないで平面が保たれるので、面直しには最適です。

まず直し砥石に鉛筆で格子状に線を引きます。
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初めにこうした線を引くことで、どこが凹んでいるかが一目瞭然になるので慣れないうちはこうした方が良いでしょう。慣れてくるとここがまだ凹んでいるなとかが分かってきます。

141007_3.jpg
その状態で上からダイヤモンド砥石でこすっていきます。ダイヤモンド砥石を前後ろに動かして、直す砥石を削っていきます。研ぎ汁がたくさんでるので、水を少し出して研ぎ汁を流しながらやると早く平面を出すことができます。

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途中の状態です。ダイヤモンド砥石が当たっている部分は削れて鉛筆線が消えています。鉛筆線が全て消えるまでダイヤモンド砥石でこすって削っていきます。

砥石は上の写真のように真ん中部分は凹んでいきます。真ん中に向かって緩やかに凹んでいっているので、こうした状態の砥石で刃を研ぐと刃の面が丸くなってしまいます。こうなるとうまく研げなくなり、刃先まで砥石が当たらない状態になります。だから、砥石は平面に保っておく必要がある訳です。

141007_5.jpg
鉛筆線がなくなるまで削った状態です。こうなれば砥石の面直しは修了です。

下の桶に入っている右側の砥石を見てください。両面とも真ん中が凹んでいるのが見ただけでわかりますよね。こんな状態の砥石ではうまく研ぐことは難しいです。こうなると平面を出すのも時間が掛かるので大変です。なのでやりたくなくて放置してしまいがちです。面倒くさがらずに早め早めに直しておいた方が良いですよ。

仕上げ砥石も同様に真ん中が凹んできます。仕上げ砥石は中砥石より堅いので減りは少ないですが、減ることには間違いないです。同じように仕上げ砥石も面直しをしてください。

砥石は使っていけば、変形していきます。平面を保ちながら減らすことは難しいです。(中には平面を保ちながら研げる達人もいるかもしれません…) 普通の人が研げば、必ず凹みます。それは研ぎの上手い下手には関係ありません。なかなか上手くならない人は、凹んだ砥石を使い続けている可能性があります。それではなかなか上達しません。早く研ぐがうまくなるには常に砥石を平面にしておくべきです。

また幅の狭いノミなどを研ぐと砥石の減りは早いです。しかも一部分だけ凹んでしまいます。ノミは砥石の裏面あるいは側面を使って研いだりするのも良いかもしれません。鉋用と鑿用に分けるのも良いでしょう。

追記:
ダイヤモンド砥石での砥石の面直しは簡単で便利です。砥石の面直しの方法はいろいろとあります。コンクリートブロックに擦りつけるなんて方法も紹介されたりしています。でも、砥石を擦りつける相手側の平面が出ていないと砥石も平面にはならないです。コンクリートブロックがどのくらい平面なのかは分かりませんが、見る限りではそんなに精度があるとは思えません。なので、ちゃんと精度が出ているものを使うと良いでしょう。もちろん紹介しているダイヤモンド砥石の精度も疑う必要があります。もっと高いものでないとちゃんとした平面は出ていないかもしれません。が、日常的に使う刃物を研ぐ砥石の面直しには十分な平面をつくることができると考えています。

砥石に関するブログエントリーをいくつか書いているので、紹介しておきます。

刃の黒幕シリーズで新しい砥石システムを構築してみた。
人工の仕上げ砥石をいろいろと試しています。

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