2015.02.03

人工の仕上げ砥石をいろいろと試しています。

鉋(かんな)や鑿(のみ)といった木工道具をきちんと使うためには刃物をこまめに研ぐ必要があります。鉋は切れない刃では木材の表面をキレイに仕上げることができません。穴をほったりするために鑿を使う場合は多少切れない刃でせ問題ありませんが、仕上げで鑿を使う場合は切れない刃では話になりません。

切れる刃をつけるためには研ぐ必要があります。研ぎには砥石を使います。普段使う砥石は2種類。中砥石と仕上げ砥石です。

中砥石は丸まった刃先を尖らせるために使う砥石です。切れなくなった刃はまず中砥石で研ぎます。中砥石は#800から#2000ぐらいまでの砥石の事を指します。昔は中砥石にも天然砥石を使っていたようですが、現在は人工砥石を使う事が一般的です。中砥石を天然砥石にしている人はまずいないと思います。

中砥石にこだわる人もいると思いますが、切れ味に直接関わる訳ではないので、研ぎやすい砥石を使うのがいいと思います。初心者は研ぎやすい柔らかい砥石が良いでしょう。僕が現在主に使用しているエース中砥はシャプトン社の刃の黒幕シリーズ#1000です。

刃の黒幕#1000は中砥石にしては硬めで、変形が少なく感じます。といってもこまめな面直しは必要ですが。そして、研磨力に優れていて早く刃返りがでます。

さて、本題の仕上げ砥石です。ソリウッドでは木工教室を開催しています。木工教室の生徒さんにはマイ中砥石を用意してもらっています。仕上げ砥石に関しては、共用の砥石をこちらで用意しています。永年使用していた天然砥石が薄くなって割れてしまったため、代わりの仕上げ砥石を探しています。天然砥石は個体の差が激しいのでなかなか良い砥石に巡り会いません。なので、人工の仕上げ砥石を探すことにしました。

最初に買ったのは、エビ印純白超仕上げ砥石です。硬めだったので慣れるまで時間が掛かりましたが、刃のつきが良くて気に入っていました。ところが、しばらくすると変質してしまい大部分がポロポロして柔らかい状態になってしまいました。はっきりした原因は分かりません。おそらく、長時間水に浸かり放しになっていたのが原因だと思います。人工の天然砥石は水に長時間浸けておかない方が良いと聞いていたので、この砥石も水に浸けて置かないようにしていました。しかし、多くの人が使うので、知らずに水に浸けてしまった人がいたようです。それに気づかず結果として長時間水に浸かってしまいました。それから少し経って砥石が変質している事に気づきました。
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しっかりと自分で管理できる状態で使用できるならいいのですが、木工教室のような環境ではちょっと厳しいですね。

現状ではまた同じ状態になってしまうことが予想されるので、出来れば変質しない砥石にしたいですね。なので他の砥石も試してみることにしました。仕上げ砥石が無いと困るので、近くのホームセンターで購入してきたのが、キングの仕上げ砥石です。これらよく売られている砥石で僕も使ったことがあります。可も無く不可も無くといった仕上げ砥石です。ただ、刃が付くまでに少し時間が掛かるのが気になります。

現在試しているのが北山という砥石です。柔らかめで研ぎやすいと思います。研磨力をそこそこあって中砥石の痕は比較的早めに消えます。後は変質しないで最後まで使えるといいのですが………
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ホームセンターで購入した砥石よりは手応えを感じています。研ぎやすいので教室の生徒さんでも充分に扱えると思います。しばらく試してみます。

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木工教室OBのTさんから借りている天然の仕上げ砥石です。「使っていないから使ってみてよ」と借りているものです。結構硬めでなかなか手強い相手だなという印象です。天然砥石らしい刃あたりとも言えるでしょう。研ぐのに少し苦労しますが、研ぎ上がりの面の光沢感は自然な感じがします。人工砥石で研ぐとギラギラした面になりますが、天然砥石は柔らかい光り方をします。

前にシャプトンの砥石を購入した時に書いたブログエントリーがあります。砥石に興味がある方はこちらもご覧下さい。
刃の黒幕シリーズで新しい砥石システムを構築してみた。

刃の黒幕#1000と#5000は気に入っています。ただ刃の黒幕シリーズも水に超時間浸けると変質の恐れがあるようなので、教室用には向いてないかも知れません。

砥石選びは結構楽しいです。いろんな砥石を試してみたくなります…

瑞木@相模湖

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