2013.11.15

幅400ミリ前後のトチ板4兄弟を前にしていかに耳つきテーブルを作るかを考える

同じ丸太から採れた板を共木と呼んでいます。共木で無垢材家具を製作すると、木目や色が揃ってまとまりのある家具が作れます。

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トチ板の共木4枚です。左が1番中心に近い部分。右に行くにつれて段々と外側の板になっています。

トチは中心部分が濃い茶褐色。外側は白い色をしています。上の写真を見ると、その様子がよく分かると思います。トチに限らず、多くの木は内側が濃い色、外側が薄い色をしています。ただし、樹種によって、その差が明確なもの、そうではないものに分かれます。

トチ材は明確に色の違いがでる樹種の一種です。

一般的に色が濃い内側の部分を心材、赤太、赤身と呼んでいます。色の薄い部分は辺材、白太、白身と呼ばれています。色の濃い部分は、水分伝達の役目を終えて組織で主に樹体維持のために働きます。そのため、辺材に比べると堅くなります。

辺材は水分移動が活発に行われる部分です。心材に比べる、弱く、虫喰いの被害を受けたりします。特にナラ材の辺材は虫喰いの被害を受けやすく、耳つきで使用する場合を除くと、切り落として使うのが普通です。少し、勿体ないですが、虫喰いの被害を避けるためには致し方ないです。

多くの樹種はより強い心材の方が多く家具に使用されます。ウォールナット材は色の濃い部分は特に好まれ、辺材部分が使われることは少ないです。

しかし、トチの場合は逆です。白い部分が好まれます。トチの濃い部分は疑心材とも呼ばれ、他の種の心材とは役割が少し異なるようです。濃い部分は乾燥中の動きも大きく出ます。この点も他の種とは少し違います。

上の写真でいうと、1番右の板が1番良いかな。幅は狭いですが、キレイな木目が出るはずです。

1番左の板は、芯に近いため使える部分が少ないです。少し反りも出ているので、真ん中で割って使うのが賢明でしょう。

さて、この4枚のトチ材をどのように使うかは悩みどころ。長くないので、1350ミリぐらいの耳つき4 枚はぎテーブルを作ろうと現時点では思っています。ただ、ちょっと迷っているのも事実。もしかしたらデスクとか他の用途に使うかもしれません。

全ての木が1枚板テーブルが採れるような太い木に育つとは限りません。むしろ、太く大きく育つ木は少数で、多くはその前に勢力が衰え、枯れて倒れる木になります。そのため、枯れ果てて倒れる前に切り倒して、有効に使うことは理にかなっています。とても太く成長した木でも、中がほとんど空洞という木も多くあります。こうなると、切り倒された後の有効利用はしにくくなります。

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市場に並んでいた丸太。太くてもこうなってしまうと使用価値は減少してしまいます。

また、根元は太くても先端は徐々に細くなっていきます。

よって、幅の狭い板をどう有効に使うかも木を扱う人にとっての永遠の課題です。一般的に幅の狭い板は耳を裁って製材されてしまいます。だからあえて幅の狭い板で耳つきのテーブルを作りたい。1枚の幅200ミリちょっとで4枚はぎ850ミリのテーブルに。

瑞木@相模湖

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