2013.09.11

木が今後の経済の鍵を握る?

「デフレの正体」の著者として話題となった藻谷浩介がNHK広島取材班とともに書いた「里山資本主義ー日本経済は「安心の原理」で動く」を読みました。

里山資本主義

本著は、どんどんエネルギーや資源を使い、それを遥かに上回る収益をあげればいい。規模を大きくするほど利益が増えていく。そしてそれが「豊か」だとするアメリカ発の資本主義経済に疑問をもち、これまで常識とされてきたものとは違う経済の回し方(里山資本主義)を提案している。

里山資本主義の具体例として、岡山県真庭市にある製材工場の発電施設が取り上げられている。製材する過程ででる樹皮や木片、木くずを工場中からかきあつめ、それらを燃やし発電する。これまで、産業廃棄物として捨てていたものが、新たなエネルギーの源とする逆転の発想が、会社としての収益にもプラスに働いているという。

この発電施設もすごいと感じましたが、この製材工場では、CLTと言われる集成材を製造する取り組みを始めたとあり、さらに興味を持った。CLT(クロス・ラミネイティッド・ティンバー)とは、板の繊維方向が直角に交わるように重ね合わされている集成材だ。オーストリアをはじめとするヨーロッパ諸国では、このCLTを構造材とした高層の木造建築が実際に建てられている。

私も先日、坂茂の木造7階建てビル、チューリッヒに誕生というニュースを読んで、こういった建物が認められれば、日本の林業の復活が見えてくるのでは思っていたところでした。

日本では、法改正が必要になるので、すぐに木造の高層ビルが建つことはないでしょうが、そういう流れにはなってくるでしょう。

前述したエネルギー源としての木くずやCLTといった木が、今後の経済の鍵を握ることになるかもしれませんね。

賢木@吉祥寺

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