2013.09.12

バレンティン選手の記録の裏にメープル材あり

ヤクルトスワローズのバレンティン選手がプロ野球タイ記録に並ぶ55本のホームランを打ちました。これで、王、ローズ、カブレラの3選手の記録に並びました。残りの試合数から考えると、新記録となる56本は十分可能性があると思います。できればこれまでの記録を大きく超える60本ぐらい打って欲しいなと思っています。私は先日、神宮球場で49号、50号の2本のホームランを実際に見ましたが、打った瞬間の打球の勢いが他の選手とは全く違うなと素人ながら感じました。

そして、今朝のニュース番組でバレンティン選手が今年から使っているバットはオールドヒッコリー社のメープル材で作られたものだと紹介されていました。

木の名前を知っている人なら、社名がヒッコリーなのに、メープルかよとツッコミをいれそうなバットですよね。実は、ヒッコリーという木も実際にあるのです。わかりやすく例えると、味噌株式会社という会社から醤油ラーメンが発売されているようなものでしょうか!?

余談はさておき、このニュースを見ていて、へぇ〜、メープルなのかぁと意外に思いました。私の中では、野球のバットといえば、日本ではアオダモ、アメリカではホワイトアッシュがよく使われているとの認識でした。少し調べてみると大リーグのホームラン記録を樹立したバリー・ボンズ選手がメープル材のバットを使用していたとのことで、それ以降メジャーリーグの選手ではホワイトアッシュからメープル材へとバッドの素材を変えるのが流行になっているとのことでした。

では、なぜメープル材のバットがメジャーリーグの選手には人気なのでしょうか?

無垢材専門の家具屋らしく、材の性質から考えてみます。

メープル材は、カナダやアメリカの北東部で多く産出される材です。

・色味は淡い白褐色

・重厚で硬く木目が緻密

・衝撃に強い

といった特徴があります。

メープル材で作ったテーブル

家具にもよく使われる材で、磨いてオイルを塗ると適度な光沢がでて美しく仕上がります。木にしては、白っぽいので、柔らかく軽い印象を持っている方も多いのですが、実際は非常に硬く重いです。そんなギャップも魅力な材です。家具以外にも高級ギターのネック部分に使われたりします。

バットの素材としては、硬いというのが適しているのだと思います。硬いので反発係数が高くボールが遠くに飛ぶと考えられます。

一方、ホワイトアッシュの特徴としては、

・色味は淡い褐色で、木目ははっきりとしてダイナミック

・硬く、さらにしなやか

といった点が挙げられます。

タモ材の家具

こちらも家具にはよく使われます。木目もはっきりしているので一般的な木っぽい家具に仕上がります。写真は、ホワイトアッシュと同類のタモ材で製作した無垢材テーブルです。

メープル材との違いは、しなやかさだと思います。バットを振る際には、このしなりを利用してボールを飛ばすことになります。

材の特徴からすると、硬い分メープル材のほうがボールに当たった際の弾く力が強いと思います。ただし、硬く他の材に比べしなりが少ないのでその分扱いづらく、バレンティン選手のようなパワーを持っている打者でないとバットの特性を生かせないのではないかと思います。

日本よりパワーヒッターが多いメジャーリーグで、メープル材を選択する選手が多いのも納得です。

野球の好きな方は、どういった選手がどの素材のバットを使っているかを調べるのも楽しいのではないでしょうか?

メープル材とホワイトアッシュを見分けるには、木目と色をみるとわかりやすいのですが、実際のバットは、色を塗られていることも多く一目では判断出来ないの残念ですね。

今後吉祥寺ショールームで材の説明をする際には、バレンティン選手のバットにも使われているメープル材とひと言加えてみます。メープル材の家具の売上にもバレンティン効果がでるかもしれません・・・

賢木@吉祥寺

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