2017.11.02

スポークのある椅子【No.2090】

椅子のデザインにはいくつかのカタチがありますが、大きくは座面を支える脚とその一部が背もたれも支えているもの、座面と背もたれを支えているのが別の構造をしているものに分けることが出来ます。最近の椅子では、数的に前者のほうが多いかと思いますが、今日は後者の座面と背もたれを別の構造で支えている椅子を紹介します。ソリウッドで扱いのある椅子でこの構造になっているのものが2つあります。

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ribチェア(宮崎椅子製作所)です。コの字型の脚を回転させて座面を支えています。そのフレームの上に背もたれを支える部材がのっているデザインになっています。笠木と脚には4本のスポークと呼ばれる支柱がついています。この構造の椅子では、このスポークがついているものが多いです。スポークとは自転車などの車輪の中心から放射状に伸びる細い棒のことで、形状が似ていることから椅子でもこの部分をスポークと呼ぶことがあります。スポークで有名なのは家具デザイナーの豊口克平氏がデザインしたその名もスポークチェアというものがあります。スポークチェアは楕円形の座面からriチェアよりも数が多いスポークが出ている低座椅子ですが、このスポーク部分をみてみると、なるほど車輪のようにも感じる椅子です。山形にある家具メーカー天童木工さんが製作販売をしています。弊社での扱いがないので、写真を掲載することが出来ませんが、気になる方は「スポークチェア」と検索して頂ければ沢山の画像を確認することが出来ます。

ribチェアに話を戻しますが、全体のカタチはシンプルに見えますが、細かいところをみるとデザイン的にも木工的にも細かい点まで意識したモノになっています。スポーク部分を除く長い部材は、よくみると台形から三角形に変化しています。こうすることでシャープな印象を与えます。肘掛けはありませんが、深く腰掛けることが出来ますのでその辺はあまり気にならないと思います。座面はやや硬めで沈み込むような感じはあまりありません。

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boチェアです。こちらも宮崎椅子製作所の椅子で小泉誠さんがデザインをしています。こちらも7本のスポークがキレイで見た目でも人気がある椅子です。宮崎椅子製作所さんの椅子はウレタンフォームを布もしくは革で覆っている座面が多いのですが、こちらのboチェアは無垢材の板座のみになっています。見た目は華奢ですが、座ってみると案外しっかりと体を支えてくれます。ご注文される方のリアクションをみていると、座ってみると、良さがどんどんわかってくるタイプの椅子だと私は考えています。こちらのboチェアは全て同じ木材で製作することももちろん出来ますが、脚や背のスポーク部分の部材の樹種を変えて製作することも出来るので、組み合わせ次第では個性的な椅子にもできます。ダイニング用の椅子としても使えますし、コンパクトなサイズなので普段は別の部屋に置いておいてお客様が来た際にプラスワンの椅子としても使いやすいと思います。さらには、リビングと同じスペースにパソコンデスクなどがある際にもリビングの雰囲気を壊さずにおける椅子です。

すべて木材の椅子ではありますが、見た目以上に軽く感じます。座面の裏の必要ない部分を削ったりして軽くしようとする工夫がみてとれます。このタイプの椅子はウィンザーチェアというタイプにも分類されます。ウィンザーチェアは17世紀の後半、イギリスのウィンザー地方で農家などが使う実用的な椅子として製作されるようになったと伝えられている椅子です。特徴としては、1. 座面が木である。2. 背と座面にスポークが直接ついている 3. 座面の裏に脚が直接ついているといった点が挙げられます。

今日紹介したribチェアとboチェアはいずれもソリウッドの吉祥寺ショップに展示品がありますので、実際に座って掛け心地を試して頂くことが出来ます。

賢木@吉祥寺

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