2016.12.07

肌触りの違いは木の構造による!?【No.1760】

しっとりしてスベスベとした肌触りが特徴のオイル仕上げですが、実は木の種類によって微妙ではありますが、肌触りが異なるように感じることがあります。今日は少し細かいことですが、後悔のないテーブル選びのためには知っておいたほうが良いと思われることなので、このあたりを解説していきます。

 

まずは、テーブルの肌触りについて重要であるオイル仕上げについてまとめておきます。オイル仕上げとは無垢材テーブルの仕上げの1つで自然な質感やメンテナンスがご自宅で可能である点で人気のある仕上げ方法です。ソリウッドで無垢材テーブルをご注文される方の9割程度はオイル仕上げを選択されています。

 

オイル仕上げに使われるオイルは、亜麻仁油を中心とした天然植物油をベースに製造されている家具用オイルです。ドイツのメーカーが作っているものが日本でも普及しています。ソリウッドでも通常使用しているのは、ドイツの会社リボス社のオイルです。これらは、自然・健康塗料といわれ、ホルムアルデヒドや有害の科学物質を含まないオイルです。そのため、小さいお子様がいらっしゃるご家庭でも安心して使用することが可能です。

 

家具用のオイルは食用油と同じように、液体のもので木部にそのまま塗って仕上げます。従って仕上がりの肌触りはオイルを塗る前の木部の状態がそのまま現れます。ですので、紙ヤスリでやすっていないガサガサの状態でオイルを塗ってもスベスベな肌触りにはなりません。木材は製材された状態では刃物の跡が残っていたりしていてガサガサしています。それを鉋や機械を使って徐々にスベスベに仕上げて行きます。最終的には#320のヤスリをかけます。ここまで磨けば素手で触ってもスベスベしています。

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上の写真はオイルを塗って、テーブルを仕上げている作業風景です。綿100%の布にオイルを染み込ませてまんべんなく塗っていきます。

 

仕上がり後の肌触りを決めるのは、これまで書いた木部の状態ともうひとつは木の構造です。比較的硬くて丈夫なので家具に頻繁に使われるのが広葉樹です。広葉樹は養分や水分を吸い上げるための導管という管があります。この導管の配置や大きさが表面の肌触りに影響することがあります。年輪に沿って導管が規則正しく配列されているものは環孔材と呼ばれています。環孔材の代表格はナラ材やタモ材でありますが、これらの材の木口をしっかりとみると、年輪に沿っていくつも小さい穴があいていることがわかると思います。これが導管です。環孔材の場合、平滑に仕上げてもこの導管が表面に出てきます。そうなると見た目は平らですが、実際には細かい凹凸があることになります。そのため、肌触りが微妙に凹凸を感じます。一方、散孔材といわれるものは、導管が細く、散らばって配列されていますので、磨きあげるとツルツルに仕上がります。散孔材の代表格はウォールナット材、チェリー材、メープル材などです。

 

家具屋さんで樹種を検討する際は、実際に手で触れてみてください。先ほど挙げたタモ材やナラ材とウォールナット材やチェリー材ではわずかに肌触りが違うはずです。これは仕上げの方法が違うのではなく、元々の木の構造による違いによるものです。

 

オイル仕上げと同じように家具の仕上げで使われるものにウレタン塗装というものがあります。ソリウッドでもそうですが、無垢材テーブルの仕上げとしてオイル仕上げかウレタン塗装かを選べるものが多くあります。ウレタン塗装はプラスチック性の薄い塗膜を木部にコーティングするように仕上げる方法です。この場合、実際に触れているのはプラスチック性の塗膜の表面になります。従って、さきほど書いたような樹種による肌触りの違いというものがありません。

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こちらの画像は一枚の板に半分づつオイルとウレタンを塗ったものです。真ん中に線が見えるかと思います。ここを触ってみると段差があり、左側がわずかに高くなっているのがわかります。これがウレタンの塗膜になります。

 

オイル仕上げのテーブルを検討される場合は木の構造による肌触りの違いも、気にしてみると自分の好みがわかり、樹種を選択するうえで役立つかと思います。

 

賢木@吉祥寺

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