2016.12.08

ウォールナット材より濃い色のテーブルが欲しいのですが・・・【No.1761】

「ウォールナットより濃い色味の無垢材テーブルが欲しいのですが、どういった樹種がありますか?」

吉祥寺ショールームで店番をしていると、たまに頂く質問です。この質問、答えるのが難しいというか、申し訳ない気落ちになる質問の1つです。ソリウッドでご注文を受けているテーブルのほとんどはオイル仕上げにしろ、ウレタン塗装にしろ、着色をしていないテーブルがほとんどです。ということは木が本来持つ色がそのままテーブルの色になるということになります。厳密にいうと、素地を仕上げた木材にオイルなどを塗ると木材が濡れたときのように、少し艶がでて色味がはっきりするといった感じで色の変化はあります。ですが、着色をしているわけではないということです。

ということで、色味の濃い無垢材テーブルということになると、色の濃い樹種ということになります。質問にあるウォールナット材は一言でいうとこげ茶色をしています。ですが、徐々に色が抜けてくるような感じになり、最終的には赤茶よりの茶色になります。ウォールナット材はこの濃い色味やスベスベの肌触りが魅力で、いまでは人気No.1の素材といってもいいでしょう。

ウォールナットより木材は存在することは存在します。その代表格は黒檀です。黒檀はカキノキ属カキノキ科の熱帯性常緑樹です。英語ではEbony(エボニー)といいます。木質としては非常に硬く、名前に違わず黒に近い色味をしています。黒檀は昔から銘木として使われ、家具や仏壇や楽器などに使われてきました、ピアノの黒鍵にも使われていました。黒檀の中でも黒いものは非常に高価なものとして重宝がられていますが、流通量はそこまで多くありません。また、大きな板も少ないため、テーブルに使われることはめったになくなりました。ネットで調べてみても新しいものを販売しているところは少なく、オークションに出品されているそこまで大きくない座卓などでも20万円を超えるものがいくつもでてきます。

という状況なので、ソリウッドでも黒檀でテーブルを製作することはありません。ですので、初めの質問に答えるとなると「樹種としては黒檀などの色が濃い木材はありますが、テーブルとして製作できるものはありません」ということになります。

とはいえ、最近の住宅事情をみると、色の濃いドアなどの建具をよく目にします。こうした色の濃い建具に合わせようと思い、同じく濃いテーブルを検討するのも必然だと思います。これらの建具なども、濃い無垢材をそのまま使用しているものはほとんどなく、着色をしたり、濃い木目をプリントしたものを表面に貼ったりしたものがほとんです。

もし、ソリウッドで色の濃いテーブルを製作するとなると、黒く着色したものということになります。着色をする場合は、着色料で色をつけて、その上からウレタン塗装を施します。こうすることで、色の薄いタモ材やナラ材でも黒いテーブルにすることが可能です。ですが、やはり着色をしているので、自然な木材のなんともいえない色味というものはなくなってしまいます。また、樹種によっては上手く塗料がのらなかったり、導管に塗料が沢山はいって色ムラがでてしまうこともあります。また、ウレタン塗装を施すと、10年15年使用してくると、表面のウレタンが徐々に劣化してきて剥がれてきてしまいます。特にテーブルだと、毎日ものを置いたり、動かしたりするので他の家具よりはるかに剥げてくる可能性が高いです。そのため、着色した無垢材テーブルを現在ではあまりオススメはしていません。テーブル以外の本棚や収納については、着色ウレタン塗装で製作することもあります。

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こちらは、以前納品した濃い色に着色して製作した本棚です。これも色の薄いナラ材を着色しています。当然ですが、ナラ材の元々の色味とは違い、黒に近い色味になります。

賢木@吉祥寺

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