2015.12.22

カバ材はもっと評価されても良いと思いますよ。木目キレイですもの。【No.1409】

2015年も残りわずかになってきました。相模湖工房では年内納品の製作が山場を迎えています。発送や配達が多くあり、出来上がった製品で事務所はいっぱいになっています。似たような商品を間違えて発送しないように気を付けながらラストスパートです。

先日のブログエントリーで賢木@吉祥寺がカバ材について書きました。

カバという木

吉祥寺ショールームには現在カバ材の耳つきテーブルが展示されています。木目がほぼ左右対称のブックマッチ2枚はぎ天板です。部分的に腐朽菌が入った個性的な柄をしています。
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こういった腐朽菌の入った柄の天板は多くはありません。今後似たような天板は作れないと思いますので気に入った方はぜひ吉祥寺ショールームまで問い合わせください。

ここのところカバ材の耳つきテーブルを希望されるお客様からの問い合わせが続いています。乾燥済みの板の中から提案させて頂いていますが、現在乾燥中の板やこれから人工乾燥庫に入れる板も含めてまだ数台分の在庫があります。私はカバ材が好きなので材木市場で見掛けたら仕入れるようにしています。ただ、頻繁に出品される訳ではないので在庫板の数はそれほど多くはありません。

今日は製作サイドから見たカバ材の特徴を紹介します。まず、カバ材は乾燥が早いです。木材乾燥に関わって数年が経ちますが、カバ材は他の材よりも早く乾燥する印象が強くあります。天然乾燥をさせている段階からどんどんと水分が抜けていきます。半年もすれば含水率は20%ぐらいになっているのではないでしょうか。半年経ってもそんなに含水率があるのかと思う人もいるでしょうが、半年で20%になっていたら結構早い方なんです。1年経っても20%以下になっていない板というのもザラにあります。

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こちらは2014年の6月に仕入れたチェリー材の板です。先日含水率を計測してみたところ真ん中で20%でした。仕入れたのは製材後すぐの状態だったので、1年半の天然乾燥を経てようやく20%ぐらいになったということです。ソリウッドの相模湖工房は特に乾燥した地域ではないので、天然乾燥ではこのぐらいが限界かなと考えています。まあ、1年半でこの程度まで含水率が落ちているのなら上出来でしょう。チェリー材の乾燥進度は標準的です。特に乾きやすくもなく、乾きにくくもないです。

人工乾燥庫に入れる板を決める際に含水率20%ぐらいの板という目安を設けています。20%近くまで水分が抜けていると人工乾燥庫に入れてから乾燥終了までの時間が短くできます。当然ですが、水分をたくさん含んでいた方が乾燥には時間が掛かります。経験測で20%ぐらいの板を人工乾燥庫に入れるのが1番効率的かなと感じています。なので、製材後からどんどんと水分が抜けていくカバ材は乾燥工程に掛かる時間が短く比較的早く製品にすることができます。

カバ材はわりと堅くて重い木材です。堅くて重い木材は乾燥中の動きも大きくでる傾向があります。しかし、カバ材は乾燥段階で大きく動くことは少ないです。カエデ材に比べるととっても大人しく感じます。多少の反りや捻れは生じますが、幅広く使えないほどの反りや捻れが出ることは稀です。

仕上げも特に難しいと感じる材ではありません。粘りも適度にあって加工中にポロッと欠けることも少ないです。というわけで製作サイド的にもカバ材は魅力的な木材なんですね。もっともっと評価されても良い木材だと思っています。

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現在天然乾燥中のカバ材です。”THE カバ材”といった感じでカバの特徴がよく出ている板だと思います。まず、幅のあるカバ板は端の方に炎のような杢がでます。拡大して見てみましょう。
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上下に斜めに線のような模様があるのが分かるはずです。仕上げるとこの線がギラギラしたように見えます。カバ材やチェリー材によく見られる模様です。

そしてなんといっても中央部に見られる木目がとっても綺麗です。上手く言葉で表現できませんが、カバらしい表情が綺麗にでています。この感じが好きなんですよね。

瑞木@相模湖

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