2015.12.20

カバという木【No.1407】

吉祥寺ショールームにカバ材の2枚はぎ耳つきテーブルを展示販売しています。

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同じ丸太からとれた板2枚を使い耳つき天板です。木目が左右対称に近い感じに出ています。ショールームに来店するお客様からも好評を頂いていますが、こちらの天板を気にいった方からよく頂く質問があります。

「カバ材ってあまり聞かない樹種ですが、どのような木ですか?」というものです。

確かに他のウォールナット材やナラ材、チェリー材といった無垢材家具によく使われる木材とは違い、知名度は低いかもしれません。ですが、比較的おとなしい木目や個体によって独特な模様がはいる、絶妙な色味といった特徴が、多くの方に受け入れられるのではないかと私は考えています。材質も硬くて強く、加工性にも優れています。また、反り等の狂いもでにくいとされています。ダイニングテーブルの素材としてはもってこいの樹種ともいえるでしょう。個人的には、色味も好みですし、表情も木らしくそれでいてアクが強い感じでもないので、お気に入りの樹種です。もちろん、古くから家具にも使われていて実績は十分ですし、小物などにも使われていて身近に感じることができる木でもあります。今日はそんなポテンシャルは高いけど、いまいち浸透していないカバ材について書いていきます。

まず、カバ材とはカバノキ科に属する木の一般名称だと思ってください。カバと表記すると動物のカバがすぐに想起されますが、もちろん動物のカバから名前が付けられているわけではありません。日本人には、樺と感じで書いたほうがわかりやすかもしれません。実際には、マカバ、ウダイカンバ、シラカバ、メジロカバと個々に名前が付けられていて、種類が豊富です。この中で最も有名なのは、白樺だと思います。街路樹としても植えられていますし、白い樹皮は沢山の種類の木が植えられている場所でもすぐに見分けがつきます。白樺はそこまで大きく成長しない樹種で、色味も淡白なのであまり家具には使われません。

カバ材としての特徴は、中心部分の赤身と樹皮に近い白い部分の境界が鮮明である、木目も穏やかで触り心地も良好といった点が挙げられます。カバノキ科の中でも、最高級とされるのが”マカバ”です。別名ウダイカンバとも呼ばれます。樹皮に油分が多くよく燃えるため、鵜飼いの松明(タイマツ)に使われていたようです。そこから、ウダイカンバと呼ばれるようになったそうです。マカバは北海道を中心とした地域でとれる材で、中心部分の赤身と言われるところの色味が濃い赤茶褐色になります。他のカバ材に比べ、赤身の部分が多く、白太の部分が少ないのも特徴です。他のカバ材との区別も赤身の色と太さでわけるという説もあるようです。最近では、赤身の濃い良い材が少なくなってきており、稀少性がだてきて高い価格で取引されることもあるようです。マカバ以外のカバ材のことをまとめて雑カバと呼ぶこともあり、マカバは材木界では格がひとつ違う印象があります。

マカバで製作してテーブルがこちらです。

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写真だけでみると、チェリー材との区別はつきづらいです。チェリー材の場合、製作当初はここまで赤身が強くない場合もありますが、マカバの場合ははじめからこんな感じの色味をしています。一方、メジロカバといわれるカバ材で製作したテーブルがこちらです。

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先ほどのテーブルに比べると、赤身部分の色味が薄く、白身部分の面積も広くなっています。表情や木目の出方はマカバとメジロカバではあまり違いがありませんが、赤身の色味と面積には少し違いが出てきます。もともと、鳥のメジロの目のように、白い部分がはっきりしていることからメジロカバと呼ばれるようになったそうです。

どちらのカバも魅力的で、好みは分かれるかなと思います。他ではあまり見られないカバ材ですが、ソリウッドが参加している材木市で良いものが出品されていれば積極的に集めたいと考えている材でもあります。興味をもった方がいれば、ご希望のサイズや色味の希望を吉祥寺ショールームまでお問い合わせください。

賢木@吉祥寺

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