2013.09.18

この木なんの木?

突然ですが、このブログで新しいコーナーを立ち上げたいと思います。

どんな内容にするかというと、暮らしで目にする木製品にどんな木が使われているかを書いていこうと思います。コーナー名は「この木なんの木?」にしようかなと思っていました。しかし、同じような題材の書籍などがすでにあるのではと思い、本屋さんに行ってみました。すると、やはりありましたしかもタイトルもそのまんま「この木なんの木」でした。あら、びっくり!

この木なんの木

この本は、佐伯浩氏が書かれた本です。初版の1993年で翌年に第2版がだされています。ちょっと横道にそれますが、私が手にしたものはこの第2版ですが、消費税表記が3%でした。最近ではなかなかお目に書かれないですが、木材関連の本ではたまに見かけます。これは、あまり変化するものでもないので内容としては問題ないということと、残念ながら専門書なので重版が重ねられ、新訂版がでるほど読まれていないというのが主な理由だと考えられます。ちょっと複雑ですね・・

でも、この本書いてあることは非常に共感出来ます。この「この木なんの木」のはじめに に、著者の佐伯氏はこう書いています。

(以下引用)家具を購入する時、人々の関心はデザインであり、価格であって、材料については単に「木」の一語で片付けていないでしょうか。それでは、森から切り出されて人の用を勤めている木がかわいそうです。森との希薄になってしまいます。身近の製品の木の名を知り、それが自然に生えているときの姿を思い浮かべることができれば、人と木、そして森との関わりを、よく理解することができるでしょう。

この文章を読んで、現在の日本の林業・日本の森に元気がないことの原因も森との希薄な関係にあるのではと感じました。もちろん、そういうことを招く要因として安く手にはいる外材が大量に輸入されて消費されているということがあるでしょう。

そして、この本で佐伯氏は、身近な木製品をみて「この木なんの木」と尋ねることをウッドウォッチングと名付け、それを提唱しています。

私も木に関する仕事をしているので、佐伯氏の提唱するウッドウォッチングには興味があり、実際に行っています。そして、それをブログに書いていこうと思ったのがこの新コーナを立ち上げた理由です。

前おきが長くなってしまいましたが、実際に木製品にどのような木が使われているかをみていこと思います。

第1回目の今日取り挙げるのは、将棋盤です。

実は今朝ニコニコ生放送で第61期王座戦第2局が放送されているのを目にし、将棋盤を取り上げようと思いました。今日の対局は、皆さんもご存知将棋界の天才羽生善治さんと今将棋界が注目する期待の若手中村太地六段の対戦です。

将棋盤で最も高級とされるのが、カヤ(榧)材です。カヤ材は将棋や囲碁をやる人にはなじみがあると思いますが、そうでないとなかなか目にすることはない木だと思います。

簡単にカヤ材の説明をすると、比較的暖かい地方に生息する常緑針葉樹です。中でも宮崎県近郊でとれるものは「日向榧」と呼ばれ、ブランド化されています。

カヤは直径が2メートルぐらいまで太くなる木ですが、成長が遅いため、杉や檜のように多く植林をされるようなことにはならなかったようです。そのため、稀少価値が高く、厚い将棋盤などは車1台分の価格がつくことも少なくありません。

将棋などのテレビ番組を見ていて、盤の表面が木らしいたけのこ状の木目が出ていないと感じている人もいるのではないでしょうか?

これは、表面に柾目材がでるように木取りをすることが多いからです。

ただし、柾目をとろうとすると太い丸太が必要になるので、価値も高くなるようです。

さて、先ほど書いた王座戦第2局ですが、結果を書いて今日のブログを終わろうと思ってましたが、23時を過ぎでもまだ決着がついていないようです・・・

ですので、締めはもう一度「この木なんの木」に登場してもらいます。「この木なんの木」と聞くと日立製作所のテレビコマーシャルを思いだす人も多いと思います。あのCMに登場している木はさきほど載せた本の写真にも使われています。あれは、ハワイ・ホノルル近郊にあるモアナルア・ガーデンパークにはえているモンキーポッドという木だそうです。

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