2014.07.30

この木なんの木第2弾!箪笥といえば桐!

忘れていた訳ではないのですが、昨年の9月に「この木なんの木?」というブログコーナーを立ち上げたものの第1弾で将棋盤に使われる榧の木を取り上げた以来ご無沙汰になってしまっていました。

この木なんの木?

先日行われた「ソリウッド テーブル選び方講座」で材料としての木材について話をしました。その際に少し触れた材について今日は書こうと思います。

皆さん、箪笥によく使われる木といえばどんな木を思い浮かべますか?

最近は木製の箪笥というのも少なくなりつつありますが、箪笥といえば、やはり「桐」ですね。

桐は落葉広葉樹で、淡い紫色の筒状の花をつけます。葉っぱも大きく特徴的です。家紋としても有名です。材の質としては、極めて柔らかくて、軽い材です。日頃の接客でも、先日の講座でも「広葉樹は針葉樹に比べて、堅いのでテーブルなどの天板には広葉樹のほうが適している」という話をしています。ですが、例外もあります。それが桐です。

桐は、杉や檜などの針葉樹と同じように材としては非常に柔らかいです。他の広葉樹では、爪などでぎゅ〜っと押してみてもさほど跡はつきませんが、桐材では、ばっちり跡がつきます。

桐の原産は中国ですが、古くから日本でも植栽されていて特に福島の会津地方が桐材の産地として有名です。

では、なぜ桐で箪笥を作ることが多いのでしょうか?

それは桐材がもつ性質が密接に関係しています。桐は梅雨などの湿気が高い季節には、材が膨張して箪笥内部の気密性が高まります。逆に、空気が乾燥している時には、収縮してその間から空気が入り、中が蒸れないようになります。このように、桐材は湿気をコントロールすることで、箪笥内部の乾湿調整が自然と行われます。

この機能が湿度の高い日本では箪笥に適しているということです。

古くから箪笥といえば桐で、重宝されていましたが、最近ではあまり見掛けなくなりました。和服などをお持ちの方はいまでも桐の箪笥を愛用している方もいらっしゃると思いますが、一般的な家庭ではないほうが普通という感じになっていると思います。

材木業界でも昔は桐材を専門に扱っている材木屋もありました。そのような材木屋さんは最近では桐材だけではやっていけないので他の樹種や建具なども扱っているそうです。

ソリウッドでは、耳つきテーブルやストレートカットのテーブルで桐材を使用することが滅多にありませんが、昨年、桐材で箪笥を製作しました。

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お寺の住職さまからオーダーを受けて製作した法衣箪笥です。桐の箪笥といえば黒い金具がついているものが多いですが、こちらの箪笥は金具をつけずスッキリしたデザインにしてあります。

賢木@吉祥寺

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