2017.01.29

ダイニングテーブルに広葉樹をオススメする理由【No.1813】

今日は吉祥寺ショールームで行う無垢材テーブル選び方講座の日でした。今月の前半はテーブルメンテナンス講座を実施したので、テーブル選び方講座は今年初めてということになります。この講座は無垢材テーブルの検討をしているけど、何をどう選べはよいかわからない、木のこととか全然知らないので最低限な知識を得たいといった方を対象に、「樹種」「サイズ」「仕上げ」についてそれぞれ選ぶ際におさえておくべきポイントをお話します。今日もいろいろと質問がでて、時間をオーバーしてしまいましたが、ご参加頂いた方には興味をもって聞いて頂けたようなのでよしとしょうと思います。もちろん、このセミナーで話をする内容は普段の接客の中でも話をしていることとほとんど変わりませんが、ご自身や家族以外の方が参加する場ということで、自分では思いつかなかった質問などが出ることもこうしたセミナーの良いところだと思います。2月も引き続き無垢材テーブル選び方講座を実施していくので、ご都合ある方はぜひ参加してみてください。

さて、テーブル選び方講座でも「木の種類は沢山ありますが、テーブルに使う材としては広葉樹をオススメします」という話をしています。皆さん、ご存知の通り、木は針葉樹と広葉樹の2種類に分類されます。針葉樹は比較的原始的な構造をしている木で、木部のほとんどが仮導管とよばれる組織で成り立っています。針葉樹は一般的に軽くて柔らかいという性質があります。針葉樹の代表格としてよく挙げられるのは、杉や檜、松といった木です。日本には多くあるので馴染みのある木だと思います。これらの木が製材され板となるわけですが、持ってみると軽いのがわかります。ホームセンターなどでも見掛けますが、大人であれば比較的大きい板でも持ち上げることができる程度です。表面の柔らかさがどのくらいかというと、爪を立てて押すと簡単に跡がついてしまうほと柔らかいです。

ダイニングテーブルの場合、頻繁にものを置いたり、移動させてたりします。テーブルの上で簡単な書き物や作業をすることもあるかと思います。そのため、ある程度の頑丈さと表面の硬さが必要になります。ですので、表面の柔らかい針葉樹ではすぐに凹みや傷が出来てしまうため、心もとない感じがします。

一方、広葉樹の場合は針葉樹より複雑な組織構成をしています。木部の他に導管と呼ばれる水分や養分を運ぶ管が通っていたりもします。複雑な組織構成であるがため、製材した板は針葉樹に比べて硬いです。同じように爪をたてて押してみてもすぐに傷や凹みが出来ることはありません。つまり、ダイニングテーブルとして使う場合、広葉樹をオススメする理由はずばり表面の硬さです。

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家具に使われる代表的な木材は、ケヤキ・ナラ・タモ・ウォールナット・チェリー・メープルといったものです。広葉樹の中でも重さや硬さに違いはありますが、テーブルとして使う分には、そこまで影響がでる差ではありません。

ただし、広葉樹にも例外があります。わりと有名な木では桐がその例外に当てはまります。桐材は桐箪笥で有名ですので、家具に使われているから硬いんじゃないと思われがちですが、和服をしまうさいに桐材が使われてきたのは、調湿効果が高いので箪笥の中の環境が一定に保たれるからです。さらに空気を沢山ふくんでいるので、通気性優れています。こういった理由から古くから箪笥には桐材が使われてきています。ソリウッドでもお寺さんから箪笥の製作を頼まれ、普段使わない桐材を仕入れて箪笥を作ったことがあります。すぐに傷がついてしまうので慎重に作業をしなければいけませんでした。特に納品場所に搬入するときはさらに慎重になったのを記憶しています。硬い広葉樹で作られた家具であれば少し壁とかに触れたぐらいでは目立つ傷にはなりませんが、桐の場合はそうも行きません。

日本人に馴染みのある桐でも、座卓やテーブルはあまり見たことがありません。それはやはりテーブルには向かないからです。まさに適材適所に使うということですね。

賢木@吉祥寺

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