2017.01.30

仕入れた耳つきテーブル用板はまずラベリングと樹皮はがしから。【No.1814】

耳つきテーブル用の板は材木市場から仕入れてきています。これらの板の多くは未乾燥材なので乾燥をさせないと耳つきテーブル天板にすることはできません。なので仕入れて来た板は時間を掛けて乾燥をさせます。

といっても、乾燥の前にやっておかなければいけない事もあります。まずはラベリングです。1枚1枚の板を識別するために個別の番号をつけています。番号はダイモテープに打ち込んでそれを板に留めています。紙だとすぐに破れてしまうのでダイモテープを利用しています。懐かしいですよね、ダイモ。私が幼い頃にもあったのでかなりのロングヒット商品ですね。

170130_1.jpg
始めの2ケタは樹種を表しています。92ならウォールナット、94ならチェリーといった感じです。81はカバ材です。次の2ケタは仕入れた年を表しています。今は2017年なので17です。1年から2年程度は自然乾燥を行う場合もあるので、ラベルをパッと見ただけでだいたいの乾燥年月が分かるように入れています。次の2ケタはその樹種の通し番号です。最後のZは仕入れをした人を表しています。Zは私です。MIZUKIのZにしています。イニシャルMの人が多いので敢えてZにしています。

次にやることは樹皮剥がしです。樹皮をつけたままにしておくとそこから虫が入ってしまいます。樹皮と木部の間の柔らかい部分が虫の大好物のようです。ほんの少し樹皮をつけて置く期間があるだけですぐに虫が入ってしまいます。なので、すぐに剥がす必要があります。

170130_2.jpg
ヤマザクラ材の樹皮を剥がしているところです。ヤマザクラにしては珍しくスパッと剥がれてくれました。ものによっては樹皮がなかなか剥がれないものもあります。写真のヤマザクラのように繋がってスパッと剥がれてくれるととっても仕事がはかどるんです。こうなると結構気持ち良いです。でも、なかなか剥がれない樹皮はボロボロと落ちるだけで1枚の板の樹皮を剥がすのに30分ほど掛かってしまう場合もあります。

170130_3.jpg
写真に写っているコテを使って樹皮を剥がしていきます。樹皮と木部の間にコテを差し込んで玄翁で叩くと樹皮が剥がれます。樹皮がついているとゴツゴツとした感じですが、樹皮をとるとスッキリします。

170130_4.jpg
余談ですが、このヤマザクラ材なかなか良い木目をしています。まだしっかりと見ていないですが良さそうです。ヤマザクラらしい荒々しさがでていますね。この部分は白太が多いですが、ヤマザクラらしいワイルドな木目が現れています。期待できますね。乾燥が上手くいってくれることを願うばかりです。

ラベリングと樹皮はがしが終わったら、写真を撮って寸法を測ります。板の表裏の写真を撮ってから木目の拡大写真を撮っておきます。板のサイズは両端と真ん中の幅を表裏ともに計測しておきます。乾燥すると板は縮みますが、一応乾燥前のサイズを測っておきます。

あとは含水率を計測します。仕入れる未乾燥材は製材したての板なので、含水率はだいたい50%前後です。中には30%台くらいの板もあります。含水率が50%くらいの板をすぐに木材乾燥庫に入れると割れが大きく入る可能性があります。なのですぐには乾燥庫に入れずに天然乾燥でなるべく水分を抜いておく必要があります。半年から1年ほど天然乾燥をさせると含水率が20~30%くらいになります。この段階になってから木材乾燥庫に入れると割れが入る可能性が低くなりますし、乾燥時間も短くなります。

未乾燥材を仕入れて乾燥させて使用するまでは手間も時間も掛かります。でも、自分が選んだ板を仕入れることができますし、木のことをより深く知ることができます。なので、未乾燥材を仕入れて乾燥させて使用することを選んでいます。

瑞木@相模湖

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest