2015.08.21

適度な堅さと手触りの良さでテーブルに向いているカバ材を人工乾燥庫に入れました。【No.1286】

ここのところ、そこまで気温が上がっていないので多少過ごしやすいですね。でも木材乾燥庫内は40℃以上あるので、扉を少し開けて中の様子を見るだけで汗が噴き出てきます。でもこうした環境に木材を置かないと乾燥しませんので仕方ありませんね。

工房内に設置してある小型の木材乾燥庫の木材を入れ替えました。2200mmぐらいまでの板しか入らないのですが、乾燥庫としての機能は十分に果たしてくれます。中腰の姿勢で板を入れたり出したりしなくてはいけないのが難点ですが…

入れてあったのはチェリー材の耳つき板です。取り出して含水率を計測してみたところ、十分に乾燥していたので人工乾燥終了ということになりました。

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赤い数字が人工乾燥庫に入れる前の含水率です。黒い数字が人工乾燥後の含水率です。見た目はさほど変わりませんが、水分は確実に減っています。テーブルとして使用する場合、含水率は10%以下にしておくのが良いです。

新たに入れたのはカバ材です。

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下の5枚は長さ2200mmあります。上の3枚は長さ1600mm程度です。長い方の板は耳つきテーブル用です。幅は500mm以上あるので、2枚はぎでテーブル天板になると思います。短い方も上手く乾燥がいって割れが入らなければ1500mm前後のテーブルが作れる可能性もあります。しかし、そう上手くはいかないので短くして耳つきのデスクにするのが良いのではないかと考えています。

こちらのカバ材は国産のカバです。カバといってもいろいろな種類があります。木材として使われるのはウダイカンバとダケカンバという種類です。ウダイカンバは心材が赤褐色をしています。木材業界では”マカバ”と呼んだりもしています。色や木目が非常に綺麗で重宝されていますが、現在は良材の産出が少なくなかなか手にする事ができません。材木市場で見つけたら仕入れるようにしていますが、めったに見掛けません。過去に何度が仕入れてテーブル天板にしましたが、どれもとても綺麗に仕上がりました。

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こちらが過去に製作して納品したウダイカンバ材の耳つき2枚はぎテーブルです。北海道産のウダイカンバでとても目が詰まっていて繊細な表情をしていました。色も淡いオレンジ色をしていて上品な雰囲気でした。

ウダイカンバ以外のカバ材は総じて”雑カバ”と木材業界では呼んでいます。いろいろなカバ材がありますが、木材需要ではダケカンバ材が多いです。皆さんがよくご存知の白樺は木材として使われる事はあまりありません。水分が多くて柔らかいので家具材としては向かないと言われています。

ダケカンバ材はウダイカンバ材ほど色が赤っぽくありません。
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現在吉祥寺ショールームで展示販売しているカバ材の耳つき2枚はぎテーブルです。ダケカンバ材はこんな感じの色をしています。木目の様子はウダイカンバ材と差はあまりありません。でも色が違うとだいぶ違う印象がしますね。

カバ材は堅さもあり、手触りもよいのでテーブルにするのが合っている木材です。木目の様子も綺麗なので今後もカバ材の耳つきテーブルをどんどん製作していこうと思っています。

今回乾燥庫に入れたカバ材は現状の含水率が30%前後です。製材後しばらく天然乾燥をしておいたので、30%ぐらいまで含水率が下がっています。カバ材は水分が抜けやすい木材なので、製材後の天然乾燥でもかなり水分を抜けさせることができます。人工乾燥庫に入れてからも比較的早めに水分が抜けていきます。1番水分が抜けにくい板の真ん中部分の含水率が10%以下になったら乾燥終了になります。割れたりしないように願いながら乾燥するのを待ちます。

瑞木@相模湖

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