2013.12.10

ヤマザクラってこんな材

明日から耳つき板の仕入れに行ってきます。その前に先月購入してきた板の写真撮影を行いました。

先月の仕入れは、ヤマザクラの板が中心になりました。ヤマザクラは国産のサクラ材で白い花を咲かせる樹です。春にお花見の対象になるのは染井吉野という観賞に作られた樹種で、木材として使用されることはほとんどなく市場に出回る事はまれです。染井吉野の生長が早い分、寿命も短いと言われています。

一方のヤマザクラは、木材としての適正はかなり高い種類だと思います。粘りがあるので加工しやすく、もの凄く硬い訳ではないのでカンナの掛かりも良いです。乾燥に若干難があるのが欠点と言えば欠点。反りが大きく出る場合があるので、その辺は折り込み済みで厚みには余裕を持って製材しておくのが良い樹種です。

サクラ系の種はすべてそうですが、太くなる木が少ないため幅の広い板を探すのは大変です。1枚板のテーブルが製作できる幅の板はかなり希少です。幅900ミリもあるのはほとんど目にすることがありません。そのため、ヤマザクラのテーブルをお探しの方は1枚板テーブルは選択肢から外して、2枚はぎ、3枚はぎの天板を探すのが賢明です。ヤマザクラ1枚板テーブルはあったとしても、かなりの高額になることを覚悟しなければなりません。

それでは、先月仕入れたヤマザクラ材を見ていきましょう。

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仕入れた板のなかでは1番幅広い板です。両サイドから割れが入っていますが、キレイな板です。しかし、裏面に問題があります。

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これが裏面。中心部分は腐っています。これは芯と呼ばれる丸太の中心付近です。ちょっと腐った部分が多いのでそのまま使うのは難しいかもしれません。真ん中で割って幅200ミリぐらいの板を2枚にするのが妥当かなと思っています。耳つきの4枚はぎテーブルの耳部分にする予定です。

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こちらは枝分かれしている部分を含む板です。枝分かれしている部分は面白い木目をしているので好きな部分です。どう使うかは乾燥後に考えますが、枝分かれしている部分までをテーブル天板用にして残りは小さめの家具に使うつもりでいます。

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こちらは少し枝分かれしている部分を含んでいますが、概ね問題ない板です。幅も比較的広く使えそうなので耳つきの2枚はぎテーブル天板にする予定です。

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これは文句のないヤマザクラの板ですね。耳つき2枚はぎテーブル用です。板の一部分が濃い色をしているのは雨に濡れている箇所です。塗装するとこの濡れた部分に近い色になります。

ヤマザクラ材はアメリカ産のチェリー材に比べると少し目が粗く感じます。色は若干みどりがかった赤褐色をしています。ヤマザクラ材もチェリー材と同じで経年変化で色がかなり濃くなります。みどりがかった部分も徐々に目立たなくなっていきます。

ここで一冊の本を紹介します。このブログ記事を書くにあたって、ヤマザクラ材の項目を改めて読んで参考にさせてもらいました。
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『原色木材大事典185種 増補改訂版』 村山忠親・著 村山元春・監修  誠文堂新光社

表紙に”日本で手に入る木材の基礎知識を網羅した決定版”と書かれている通り、木目の写真とその材に関する情報が詳しく載っています。最近はアフリカからかなり多くの樹種が入ってきています。はじめて聞く樹種名もあるのでそうした材がどんなものなのかを知るのに大変役立ちます。

巻末には木材取引基礎知識というコーナーがあり、木材についての基本的な知識がまとめられています。書いてあることは基礎的なことなので、だいたいは聞いたことのある事柄ですが、再確認するのに役立ちます。

ちなみに監修の村山元春氏はテレビ東京の『開運!何でも鑑定団』に木の鑑定士として出演しています。ちょうど先月の出張の際にホテルでたまたま 見た『開運!何でも鑑定団』で屋久杉の天井板の鑑定をしていました。

瑞木@相模湖

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