2018.07.01

ウォールナットとチェリーの違いと共通点【No.2331】

ソリウッドは無垢材を専門とした家具工房です。無垢材とは、丸太から製材された板をそのまま使って製作した家具のことを指します。薄い板を何枚か重ねあわせた合板や木材を細かく砕いたものを接着して板状ににしている木質系素材を使った家具との違いを表すために無垢材という表記をあえてすることがあります。無垢材家具は、塗装による着色も出来ますが、最近では木が本来持つ、色味をそのまま活かした仕上げも人気があります。それはオイル仕上げと呼ばれており植物性のオイルを調合したものを木材の表面に染み込ませて保護する仕上げです。このオイルにも着色成分が入っているものも販売されていますが、色ムラが出やすいためソリウッドでは使っておらず、着色成分のないクリアーなものを使っています。そのため、木の種類によって、仕上がりの色味が変わることになります。ですので、オイル仕上げの家具は色を選ぶというよりは、樹種を選ぶことでおおよその色が決まるということになります。

多くの家具屋さんで扱われているウォールナット材とチェリー材につきましては、近年人気があります。個人的にはその人気の秘訣は仕上げの色味に起因していると考えています。まずはこの2つの樹種の違いからみていきます。

ウォールナットはこげ茶、チェリーは赤みの強い茶褐色

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この二つの樹種で決定的に違うのが色味です。ウォールナットは濃い茶色、チェリーは赤みの強い茶褐色と表現することができます。またこの二つの樹種は経年変化での色味の変化も激しい部類の樹種です。ウォールナット材は出来た当初が一番濃い色味をしていて、黒紫っぽい茶褐色からやや色が抜けてくるような変化をしていきます。反対に色が濃くなっていくのがチェリー材です。出来た当初は薄いピンクがかった色味をしていますが、徐々に濃くなりオレンジ感が強い茶褐色になっていきます。出来た当初を比べると、色の差は激しく、徐々に差は縮まってくる感じです。最終的には同じところまでは当然いきませんが、似たような感じに落ち着きます。

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価格の違い

木材の価格は変動は起こりやすく、常に一定ということはありません。仕入れる時によって価格が違うことも珍しくありません。また、価格については木材の質というよりは流通量などで変化していきます。ウォールナット材とチェリー材では以前はチェリー材のほうが高いという時代もありましたが、今ではウォールナット材の価格は高騰し、チェリー材をひょいと上回ってしまいました。2018年7月の段階で、ソリウッド定番のストレートカットテーブルの4人がけW1500mmのものだと、天板厚30mmでチェリー材は、¥166、320(税込)、ウォールナット材は¥189,000と同じサイズで2万ちょっとの価格差があります。

ここまでウォールナットとチェリーの違いについてみてきましたが、この二つの材の共通点にも触れておきます。

北米産かつ散孔材

ウォールナット材は正式にはブラックウォールナット材といいます。北米産の木材です。日本でもサワグルミやオニグルミといったクルミの仲間の木がありますが、ブラックウォールナットほど色が濃くありません。チェリー材も正式にはブラックチェリー材でこちらも北米からの輸入材です。チェリーは桜の一種ではありますが、日本に多く存在しているソメイヨシノとは違った種類になります。ソメイヨシノは園芸種で材木として伐採、製材されることはほとんどありません。

産地のほかに2つは散孔材というものに分類されています。散孔材は、立木の状態で養分と水分を運ぶ導管とよばれる管が至るところに散らばっている材を指します。ウォールナットやチェリーはこの導管が細いので目視では確認できない程度です。オイル仕上げなど塗膜を作らない仕上げ方法だと、表面の導管の凹凸が出てこないのですべすべとした触感に仕上がります。この他に、導管が年輪にそって規則正しく並んでいる還孔材というものがありますが、これらは表面に導管がでてくるので微妙ではありますが触ると凹凸を感じます。スベスベの質感のほうが好きな場合は散孔材がおすすめです。

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