2018.05.10

経年変化で濃くなる材も色が明るくなる材もあります【No.2279】

無垢材は天然素材として扱われていますが、日々、無垢材に接していて自然の面白さを感じるのが経年変化です。木材は時間が経つにつれ、木材自体の色が変化していきます。この現象は、木材の経年変化と呼ばれています。無垢材で製作された家具は、そのまま使っていると、時間の経過にともない色が変わってきます。この色の変化の要因はいくつかあるようですが、最も影響するのが光です。直射日光だけでなく、日の光に含まれる紫外線が木材の色の変化に大きく影響するとされています。木材の経年変化については、多くの方が知っていることかと思いますが、木の樹種によって変化の仕方や度合いが異なるということまではあまり知られていないようです。そこで、木材の経年変化について今日はまとめてみます。

木材の経年変化は樹種によって異なりますが、大きくわけると「色味が濃くなる」と「色味が明るくなる」に分類されます。これは木に含まれている成分が樹種によって違うためとされています。

色が濃くなる傾向の樹種

ソリウッドで定番として扱っている材の中で、色味が濃くなる樹種は、メープル、チェリー、タモ、ナラといった樹種です。この中でも最も色の変化が著しいのはチェリー材です。チェリー材は当初淡いピンクがかった褐色をしていますが、段々と色が濃くなりオレンジ色の濃い褐色に変化していきます。その変化のスピードと度合いが最も激しいので、木材の経年変化を十二分に堪能したいということであれば、チェリー材はオススメです。色が濃くなってくるので、使い込んだ感が出てくるように見えます。また、チェリー材は経年変化により、少し艶が出てくる感じもします。チェリー材の場合は半年ぐらいすると、色が変わったなと感じるほど、変化のスピードが早いです。ですので、テーブルなどにティッシュや本などずっと同じ場所に放置しておくと、それらのものをとった時に、モノの形にそこだけ変化していないそのままの色味が残ってしまいます。そうなると、紙やすりで表面を削ってオイルを上から塗りなすとういう補修をすれば、かなり目立たなくすることは可能です。

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できた当初のチェリー材。

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経年変化後のチェリー材。見た目はかなり変わってきます。

同じ北米からの輸入材で色が濃くなるのがメープル材です。メープル材は当初かなり明るく白っぽい色味ですが、段々黄色味が増してくる感じがします。変化のスピードはそこまで早くなく、じんわり変わってくる感じです。

タモ、ナラ材も経年で少し濃くなります。ただ、こちらもスピードは遅くひと目見ただけでは、あまり変化を感じないかもしれません。10年以上経って、そういえば買った当初は少し明るかったなぁと感じる程度です。

色が濃くなる傾向にある木材でひとつおさえておきたいのが、杉やパイン材です。これらは針葉樹なので、ソリウッドでは扱っていない材ですが、床のフローリングとしてはよく使われています。これらもできた当初は明るい色をしていますが、時間が経つにつれ褐色に変化していきます。もし、床が杉やパイン材であって、当初の床と同系色のテーブルを選んだら、段々床が濃くなり、コントラストが強くなってくるということがあります。それはそれで味だと思いますが、数年後経ったあとのことも少し考慮して、テーブルなどの家具に使う樹種を選んでみると良いかもしれません。

色が明るくなる(薄くなる)傾向の樹種

木材の経年変化と聞くと、色が濃くなることを想定するかもしれませんが、実は反対に色が薄なっていくものもあります。その代表格がブラックウォールナット材です。ブラックウォールナット材は当初黒紫っぽい色味をしていますが、紫色や黒色が抜けてきて、明るい茶褐色に変化していきます。濃い色味の代表格として取り上げられることも多いウォールナット材ですが、できた当初の濃さがずっとキープされるわけではないので、そのあたりはしっかり確認しておくと良いと思います。個人的にはできた当初の色がかっこいい感じはしますが、家にあると色が強すぎるかなと感じることもあり、経年変化してきた色味のほうが温かみを感じる木っぽさが出ていると考えています。

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