2018.05.09

オイル仕上げは樹種によって肌さわりが変わる【No.2278】

「オイル仕上げ」は無垢材テーブルをはじめとする無垢材家具の一つのキーワードになっています。このソリウッドのブログにも「オイル仕上げ」「オイル仕上げ テーブル メンテナンス」「オイル仕上げ テーブル 水拭き」といったキーワードで検索されて閲覧頂く方が一定数いらっしゃいます。「オイル仕上げ」といっても、作り手によって素地の整え方、オイルを塗る、やすりをかける回数や樹種によって最終的な仕上がりの肌さわりが変わることがあります。ソリウッドの吉祥寺ショップではオイル仕上げのテーブルを多数展示していますが、テーブルに触れたお客様からは「すべすべだけど、これもオイル仕上げですか?」「他店で触ったテーブルとだいぶ質感が違う」というコメントを頂くことがあります。

そもそもどうして同じオイル仕上げなのに、感じる質感が異なるのでしょうか?

オイルを塗る→ヤスリをかけるを繰り返すとだんだん艶が出てくる

オイル仕上げは、素地を整えた状態の木材に天然由来のオイルなどを調合してつくったオイルを木の表面に浸透させて保護する仕上げ方法です。ソリウッドで使用しているものは直色成分が含まれていないクリアなものですが、オイルを塗った木材は、水が濡れたような濡れ色となり、塗る前と比べるとはっきりとした色になります。触れた際の感触は、しっとりとした感じですが、素地の表面の整え方によって触り心地はだいぶ変わってきます。ここの点がオイル仕上げの家具でも触り心地に違いがある要因になります。素地を整えるには紙やすりを使うことが多いですが、紙やすりにも番手と言われる番号がついており、それによって触り心地が違います。紙やすりの番手の数字が大きければ大きいほど、目は細かく仕上がります。ソリウッドでは320番の紙やすりをかけて仕上げます。また、オイルを塗る回数でも見た目や触り心地が変わります。一度オイルを塗ったあと、さらに紙やすりをかけその上からオイルを塗ると1回目よりもやや艶がでます。ソリウッドでは通常オイルを3回塗りますが、それ以上やると艶がですぎる感があるので3回にしています。作り手によっては、最終仕上げの紙やすりの番手をもう少しあげたり、ヤスリをかける際に手で行うか機械を使って行うかでも素地の仕上がりに違いが出てきます。

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樹種の違いでも触り心地は変わる

もう一つ、オイル仕上げなのに肌さわりが違う要因として、樹種の違いが挙げられます。木(広葉樹)には水分や養分を運ぶための導管と呼ばれる管があります。この管が比較的太く年輪にそって規則正しくあるのが環孔材と呼ばれています。環孔材は板を平らに製材した際にも、表面に導管が現れることになります。ですので、その導管部分が凹み、微妙ではありますが触ると凹凸を感じます。オイル仕上げの場合は、オイルを浸透するだけになりますので、この凹凸もそのまま残ります。一方、導管が細く、不規則にある材は散孔材は環孔材ほど凹凸がなくすべすべに仕上がります。塗膜を作らないオイル仕上げだとこのように細かい点ですが、樹種によっても触り心地が変わります。よく家具に使われる木材だと、環孔材はタモ、ナラ、ケヤキ、チークなどです。散孔材はウォールナット、チェリー、メープル、ブナ、トチといった木になります。こちらの触り心地については強度などには違いがなく、触り心地で判断頂くのがよいと考えています。

これまで見てきたように、同じオイル仕上げでも作り手や樹種によって、触り心地は違います。届いたあとにあれ?思っていたのと違うぞということにならないように、やはり気になる商品や工房があった場合は、そんな感じに仕上がるのか事前に確認しておくのがよいと思います。一番良いのはやはり実際に触ってみることだと思います。オーダーの場合は木目などは1点1点違うので、お店に展示してあるものと届くものは違いますが、触り心地や艶の出方などの雰囲気は掴むことができると思います。

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