2017.05.13

樹皮がついた部分をそのまま活かして製作するのが耳つきテーブルです。【No.1917】

今日はいちにち雨でしたね。久しぶりの大雨でした。まだ少し先ですが、雨が続く梅雨の季節は無垢材を扱う我々にとっては気を遣う季節です。

木はまわりの空気の状態にあわせて水分量を調整します。湿っている季節は自らも水分を吸収してまわりの空気と平衡になるようにします。逆に乾燥している季節は水分を放出して平衡を保とうとします。木は呼吸をしていると表現されるのはこうした機能があるためです。冬は乾燥しているので、木も水分量が少なめです。梅雨になると湿気がすごいので木は水分を吸収します。で水分を吸収した放出したりする際に少し動く訳です。水分を吸収すると板は幅方向に伸びます。逆に水分を放出すると幅方向で縮みます。
そのため、梅雨の時期に製作した無垢材家具は冬になると少し縮みます。そうしたことを頭に入れて製作しないと壊れたりする原因になってしまいます。木材を扱うにはこうした木の動きをしっかりと頭に入れておかなければいけません。

ソリウッドで製作、販売している無垢テーブルは2種類あります。ストレートカットテーブルと耳つきテーブルです。ストレートカットテーブルはエッジを直線でカットした長方形または正方形のテーブルです。(丸テーブルもエッジをカットする意味でストレートカットテーブルに分類しています。) まあ、一般的なテーブルですね。

それに対して耳つきテーブルというのは樹皮がついていた部分を残してテーブルにしたものです。木は木部と樹皮で構成されています。樹皮は木部にしっかりとくっついていますが、製材して板の乾燥が進むと剥がれていきます。最終的には剥がれてしまうものなので、樹皮をつけたままテーブルなどの製品を製作することは出来ません。で、樹皮がついていた部分を”耳”と呼んでいます。

食パンで考えてみると分かりやすいかもしれません。食パンは焼き色がついて少し硬くなった部分と白くてフワフワしている部分がありますよね。焼き色がついて少し硬い部分をパンの耳と呼んでいます。耳をそのまま食べる場合もありますし、サンドウィッチを作る時は耳をカットする場合もありますよね。そのまま食べるのが、耳つき。耳をカットするのがストレートカットと置き換えてもらえれば分かると思います。

耳つきテーブルは樹皮がついていた部分をそのまま残すのでカタチが1枚1枚異なってきます。これが耳つきテーブルの醍醐味のひとつです。同じ形のテーブルはこの世に1つしか存在しません。

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これはトチ材の耳つきテーブルです。同じ丸太から製材された2枚の板をはぎ合わせています。トチという木はあまり真っ直ぐに成長せずに変わった形に成長することが多い木です。そのため耳のラインも変化に富むものが多いです。テーブルとしての使い勝手という部分では若干劣りますが、見た目のインパクトは大きくなります。

上の写真の手前側の耳は樹皮がついていた部分を上にして使っています。そのため樹皮がついていた部分が目立つようになっています。逆に樹皮がついていた部分を下にして使うと耳が目立ちにくくなります。170514_2.jpg
こちらはクリ材の耳つきテーブル。樹皮がついていた部分が下側に向いています。こうした方がテーブルとしての使い勝手は良いでしょう。少し角度がつくので見た目もスッキリします。

基本的には耳が目立たない向きに使用することが多いですが、ブックマッチテーブルやお客様のご要望があった場合は耳が目立つ向きで使用しています。

ソリウッドの吉祥寺ショップでは製作可能な状態の耳つきテーブル天板用の板を複数展示しています。実際に使用する板を見て選んでもらえるようになっています。吉祥寺ショップに展示していない板でも乾燥が終了して相模湖工房にストックしてある板も少しあります。吉祥寺ショップにはない板でもお客様のご要望にあった樹種やサイズの板を提案できる場合もありますのでお気軽にご相談ください。

瑞木@相模湖

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