2017.03.08

経年変化も楽しめるチェリー材の椅子【No.1851】

ソリウッドの吉祥寺ショールームで展示販売している椅子は、ベンチを除いて他の家具工房が製作しているものです。現在は、ソリウッドの無垢材テーブルと合わせても問題なく使って頂けると国内生産の3つのブランドを扱っています。いずれも日本人のデザイナーがデザインをして、日本の家具メーカーが製作しているメイドインジャパンの椅子になります。

個人的には長く使える椅子をお探しなら、日本で企画され、日本で製作された椅子がよいと思っています。それは日本人の体型をベースにデザインをされているからです。椅子は家具やインテリアとしてデザインに目がいきがちですが、身体を預ける暮らしの道具でもあります。できれば、自分の身体にフィットして長く座っていても体に負担がかからないものを選びたいものです。そうなると、日本人の平均的な体型の人が座ることを想定してデザインされたもののほうがよいだろうということです。私は身長が170cmぐらいなので、欧米で設計された座面高450mmぐらいの椅子に腰掛けると少し高く感じます。逆に、体の大きい方は欧米産のもののほうがしっくりくるかもしれません。

ソリウッドで扱いのある椅子は材種を選ぶことができますが、ナラ、ウォールナット、ナラ材であればほとんどの椅子で選択が可能です。今日はその中でもチェリー材の椅子にフォーカスを当てて紹介したいと思います。

チェリー材はブラックチェリー材の通称で、ほとんどが北米産の広葉樹です。木の水分を運ぶ導管と呼ばれる管が細く木材として表面を削るとスベスベの肌触りになります。チェリー材の最大の特徴は経年変化です。

チェリー材は初め淡いピンクがかった褐色をしています。それが空気に触れると徐々に色が濃くなり、最終的には艶がでたオレンジがかった褐色に変化していきます。その色味の変化が現れるのが、早く変化したことが明確にわかる点が他の材との違いです。だいたい半年もすれば色が濃くなってきたことがわかります。

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こちらが完成したばかりのチェリー材の椅子です。この時点では明るい色味の椅子に見えます。ちなみに写真の椅子はISU-WORKSのNシリーズにラインナップされているLENチェアです。デザインを手がけたのは木工家としても名が知られている高橋三太郎さんです。LENチェアは各部材が大きめに面取りがされているので全体的に丸みを帯びていて優しい印象を与えます。無垢材の椅子は無骨な感じになりがちですが、こちらのLENチェアは違います。特に個人的にはチェリー材との相性がよいデザインに思えます。また、アームが前脚まできていないタイプなので出入りもしやすいです。肘掛けはあるけれど、デメリットである出入りのし難さは解消されています。椅子に座ってあぐらをかきたいといった場合でも対応が可能です。

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チェリー材の経年変化の話に戻りますが、こちらが色が濃くなってきたチェリー材です。先ほどのできたての椅子と比べると年季がはいった感じがします。これはソリウッドのスタッフが自宅で使っている椅子のアーム部分になります。これで1年ちょっとが経過しています。

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徳島にある椅子メーカの宮崎椅子製作所の椅子も全てのデザインでチェリー材が選択出来ます。これはコンパクトながら座り心地も抜群のPocketチェアです。濃い座面の布地を選ぶとはじめはコントラストがついていって引き締まった印象ですが、使い込むにつれ木部の色が濃くなってくるのでもっとシブい印象の椅子になっていきます。このように、木部の色の変化だけでなく、ファブリックとの組み合わせによる印象も時間とともに変わってくるので、楽しみも増えます。使い込めばこむほど味がでてくるのは木材の特徴でもありますが、チェリー材を選択するとそれが一段と楽しめます。そういった観点で無垢材家具の樹種を選ぶのも1つのやり方だと思います。

賢木@吉祥寺

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