2016.09.17

色々な色が階層になって現れる耳つきウォールナット材。【No.1679】

木工教室の応用クラスの生徒さんが制作したウォールナット材ベンチの写真を撮りました。溝が彫ってあるので安心してモノを置いたりすることができます。のちのちこの溝の所にはまるクッションを作ろうかなとも考えているようです。

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座面に使用している板は耳つきのウォールナット材です。乾燥中に大きく割れてしまった板を使用しています。写真では分かりにくいかもしれませんが、手前側は割れて裂けた部分をそのまま使っています。もちろん危なくないように磨いてはいますが、木が裂けた具合を活かしています。

ソリウッドが使用している耳つきウォールナット材は、材木市場で仕入れた板が多いです。材木屋さんから購入する場合もありますが、多くは私が材木市場で仕入れてきた板です。ブラックウォールナットは北米産の木材です。多くはアメリカから輸入されています。アメリカから輸入されているブラックウォールナット材の多くは現地で製材されて人工乾燥がほどこされた耳裁ち材です。耳裁ち材というのは樹皮がついていた部分をすでにカットしてある材のことです。幅は100mmから180mmぐらいの板が多いです。ソリウッドで製作しているストレートカットテーブルはこうした板を使用しています。

現地で製材、人工乾燥された耳裁ち材の他に丸太のまま日本に輸入されたウォールナット材もあります。ウォールナット材の耳つき板は丸太で日本に入ってきたものを日本で製材したものです。日本の製材所で製材した板なので、乾燥ももちろん日本で行っています。ソリウッドには木材乾燥庫がありますので、未乾燥材を仕入れて自前の木材乾燥庫で乾燥をさせています。

ソリウッドの木材乾燥庫は低温で乾燥させるタイプのものです。低温で時間を掛けて乾燥させますので、木がもつ本来の色を保つことができます。アメリカで乾燥させている板は大型の木材乾燥庫でなるべく時間が掛からないように乾燥させています。ソリウッドの木材乾燥庫よりは高い温度で乾燥をさせています。そのため色が均一化されやすい傾向があります。

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こちらはソリウッドの木材乾燥庫で乾燥させたウォールナット材の端材です。粗く削って水で濡らした状態で写真を撮っています。ウォールナット材は外側に近い部分は色が薄く、内側は色が濃くなっています。色が薄い部分を白太と呼んでいます。通常は白太の部分をカットして使用しています。これは日本における習慣で、アメリカでは白太も混ぜて使用するのが当たり前になっています。でも、耳つきで使用する場合は必然的に白太の部分も使用することになります。耳つきウォールナット材の場合は白太から段々と色が濃くなる部分に豊かな色の階層を見る事ができます。

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先日の材木市で仕入れたウォールナット材の耳つき板です。これも日本国内で製材された板です。真ん中の部分には割れ防止剤が塗られています。なので、色が濃く見えています。白太から段々と色が濃くなる部分にいろいろな色が見えます。白から少し緑がかった部分があり、少し紫がかった部分へと変わっていきます。こうした色の多彩さがウォールナット材の魅力の1つですね。

先日の材木市ではウォールナット材を多めに購入しました。乾燥済みのウォールナット材の在庫が薄くなっていたので、良い仕入になったと思います。まだこの時に仕入れたウォールナット材は工房に届いていないので詳細は分かりませんが、耳つき2枚はぎテーブル天板が複数製作できる枚数を仕入れました。工房に届いたら撮影と採寸を行って、しばらく天然乾燥をさせます。半年ほど天然乾燥をしてから木材乾燥庫に入れて含水率を下げていきます。なので使用できるようになるまで1年ほど掛かります。使用できるようになったらまたブログなどでお知らせしたいと思っています。

瑞木@相模湖

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