2016.06.10

アサダ・ミズメなどの耳つきテーブル用の板を仕入れてきました。【No.1580】

ソリウッドが得意としている耳つきテーブル。使用する板は材木市場で仕入れているものが多いです。材木市場には丸太や板がたくさん並んでいます。その中から耳つきテーブル用の板を見定めて仕入れています。材木市場は全国にたくさんありますが、その多くは針葉樹がメインになっています。日本の林業はスギやヒノキといった構造材になる針葉樹が大きな割合を占めています。なので、材木市場にも針葉樹が並ぶことが多いんです。広葉樹をメインにしている材木市場はそんなに多くありません。その中で我々は広葉樹メインの材木市場に通っています。

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学校の校庭のような場所(土場と言います)に所狭しと丸太や板が並んでいます。これだけの丸太や板を並べるだけでも大変な作業だと思います。丸太はとても重いので人力では動かせませんので…… 材木市場では入札形式やセリ形式で取引が行われます。入札かセリかはその材木市場によって違います。私が通っている材木市場はセリ形式が選択されています。どんどんとセリが進んでいくので事前にしっかりと下見をする必要があります。下見で目をつけていた板の番になったらセリに参加します。

今回のセリ市ではチェリー材、ウォールナット材、ミズメ材、アサダ材を仕入れました。チェリー材とウォールナット材は北米産の木です。丸太で日本に輸入されて日本の製材所で製材された板です。ウォールナット材とチェリー材は丸太でも製材された板でも数多く日本に入ってきています。しかし、現地で製材された板は耳がカットされてしまっていますので、耳つきの板を手にするためには日本で製材された板を探さなければいけません。ソリウッドで製作しているチェリー材やウォールナット材の耳つきテーブルはこの材木市場で仕入れた板を使っています。

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綺麗な模様が出ているチェリー材の耳つき2枚はぎテーブルも材木市場で仕入れた板を使用しています。材木市場に並んでいる板は乾燥が済んでいない板です。そのため仕入れた板はソリウッドの相模湖工房で時間を掛けて乾燥させます。仕入れた板は外で桟積みをして天然乾燥をさせます。半年ほど天然乾燥をしてから木材乾燥庫に入れて人工的に乾燥させます。

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こちらが今回仕入れたアサダの板です。アサダという名前はあまり聞いたことがないかもしれません。色や木目の様子である程度推測がつくかもしれませんが、カバの仲間になります。カバの仲間なので、緻密な木目で表面は滑らかです。中心部分と周辺部分の色ははっきりと区別がつきます。中心部分は赤褐色、周辺部分は白褐色になります。ウダイカンバやミズメといった他のカバ仲間と比べると樹皮が薄いのが目に付きます。カバの仲間は樹皮が横に裂けてカールすることが多いですが、アサダは縦に裂けていてカールはしていません。

アサダは綺麗な仕上がりで家具向きの板ではありますが、残念ながら流通量が少ないです。材木市場に並ぶ機会も少なく、簡単に手に入る板ではありません。材木屋さんでも在庫を持っている所は少ないでしょう。今回仕入れたのは同じ丸太から製材された2枚の板。1枚は赤みが少ないですが、耳つき2枚はぎテーブル天板になるギリギリのサイズ。上手く乾燥させてなんとか耳つきテーブルに仕上げたいと考えています。

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こちらはミズメの板。今回はミズメの板の出品がいくつかありました。そのうちの何枚を仕入れることに成功しました。ミズメはこのブログでも何度か登場していますね。ミズメもアサダと同じくカバの仲間です。ミズメザクラと表記されることもありますが、サクラの仲間ではありません。木目は緻密で仕上がりも滑らかです。ミズメの樹皮は他のカバ仲間と違う点があります。それは匂いです。ミズメの樹皮を剥がして匂いを嗅ぐと湿布の匂いがします。これは樹皮にサリチル酸メチルが含まれているためです。今回仕入れたミズメの板は2枚はぎでテーブル天板になるサイズです。こちらも上手く乾燥させて耳つきテーブルに仕上げる予定です。

すでに夏前になっていて、木を切るシーズンは終わっています。なので、出品量もそれほど多くはありませんでした。しかし、アサダやミズメといった流通量の少ない樹種の良材を手に入れられたので満足のいく仕入れになりました。

瑞木@相模湖

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