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家具屋で働く双子のブログ
無垢材テーブルのメンテナンス方法は仕上げによって違う【No.1494】
木のテーブルの雰囲気が好きだけど、「メンテナンスが面倒」って聞いたけど、どうなの?と考えている方は多いのではないでしょうか?実際のところは、本物の木を使った無垢材テーブルの全てがメンテナンスが面倒ってことはありません。無垢材テーブルはいくつかの仕上げ方法があります。メンテナンスの方法はその仕上げの方法によって、違うということを頭に入れておいてください。
無垢材テーブルの仕上げは、大きくわけて2つあります。それは「オイル仕上げ」と「ウレタン塗装」です。
「オイル仕上げ」はその名の通り、テーブルの表面にオイルを塗って仕上げるものです。家具の仕上げに使われるオイルは、亜麻仁油を中心とした自然素材を配合し作られた家具用のオイルです。家具用のオイルはドイツで作られ販売されているものが多いです。日本国内で製作されている家具で使われているオイルもほとんどがドイツ製の家具用オイルです。ソリウッドではドイツメーカーの1つ、リボス社のオイルを主に使っています。その他にも「オスモ」、「アウロ」、「プラネットカラー」といったメーカーのものが日本で販売されています。最近では大きなホームセンターでも扱っているものがあり、日用大工にも使われています。メーカーによって、細かな成分や配合されている量などの違いがあり、粘り気や匂いに特色がありますが、オイルの性能としてはほとんど変わりはありません。
一方、ウレタン塗装はウレタン樹脂で硬い塗膜をつくり木材を保護する仕上げ方法です。簡単にいってしまうと、木の表面にプラスチックの膜と作って木材を保護する塗装方法です。先ほどのオイル仕上げと違う点はこの塗膜を作るという点です。木部をプラスチック性の膜で覆うので強い塗装ということがいえます。ウレタン塗装の場合は、クリアで仕上げることもですが、木部に染料を使って着色しそれを保護するかたちで着色塗装も比較的簡単に出来ます。オイルで着色するよりもムラなく着色塗装が出来ます。
一番はじめにも少し述べましたが、無垢材テーブルのメンテナンス方法は仕上げによって変わってきます。「オイル仕上げ」と「ウレタン塗装」でも普段の扱い方から違いが出てくるのでその違いをしっかりと頭に入れておくことが重要になってきます。2つの仕上げのテーブルの扱い方で決定的な違いが出てくるのは水に対する対処です。オイル仕上げは水に対してそこまで強くありません。普段は乾拭きか堅く絞った布で拭きます。びしゃびしゃに濡れた布で沢山拭くとオイルが木部の表面から抜けやすくなります。オイルが抜けるとテーブルの表面が少しザラついた感じになります。
こちらの画像は6年ほどメンテナンスをせずに使ったオイル仕上げのテーブルです。ところどころ、食べこぼしなどによる染みができています。
一方、ウレタン塗装の場合はオイルに比べ水に強い性質があります。なので、普段はテーブルを水拭きしても全く問題がありません。普段の手入れに関しては、ウレタン塗装のほうに軍配が上がります。ですが、補修がしやすいという点を考えると逆にオイルに軍配が上がります。
テーブルですので、食器を置いたりものを動かしたりすると細かい傷はどうしてもついてしまいます。これはオイルでもウレタンでも同じです。オイルの場合は、濡れたコップを長時間置いていたりするとコップの跡が染みになって残ってしまうことがあります。
オイル仕上げの場合、細かい傷や染みなどをご自宅で補修することが可能です。やり方は、#320の紙やすりでやすります。そうすると細かい傷や染みがとれます。紙やすりで磨いた後は、メンテナンス用オイルを塗ると傷や染みがとれます。完全にとれなくても目立たなくはなります。こうすることでテーブルをリフレッシュさせることが出来ます。この作業は、素人の方がやっても問題なくできます。
このような補修作業は、ウレタン塗装では同じようには出来ません。ウレタン性の塗膜は人の手で紙ヤスリでやすっても簡単にはとれません。また、ウレタン塗装を施すにはそれなりの設備が必要なのでご自宅で出来るような作業ではありません。
また、ウレタン塗装は10年、15年と時が経ってくるとプラスチックが劣化して塗膜が剥がれてきてしまいます。こうなると見た目が悪くなり、そのまま使っていると剥がれた部分がベトベトしてくることがあります。塗膜が剥がれてしまっても先ほど述べたようにご自宅で補修が出来ません。工房で預かり、機械を使って削り直してから塗装をし直します。再塗装をすれば新品同様に生まれ変わりますが、補修には時間と費用がそれなりにかかってしまいます。
こちらは再塗装のご依頼があったウレタン塗装のテーブルです。塗装が剥げ、ベトベトしてしまった部分に紙がくっついてしまっています。
再塗装を施すとこのように新品同様に蘇ります。
「オイル仕上げ」と「ウレタン塗装」では普段のお手入れと補修に関する点で違いがあることがわかって頂けたかと思います。それぞれ一長一短な部分もありますので、無垢材テーブルの塗装を選ぶ際は何を一番重視するかをよく考えて選択するようにしてみてください。
賢木@吉祥寺
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