2014.11.02

経年変化におけるオイルとウレタンの違い

無垢材のテーブルは、大きく2つの仕上げ方があります。その2つの仕上げとは「オイル仕上げ」と「ウレタン塗装」です。最近のウレタン塗装は、従来より薄く塗ることが出来るようになりました。そのため、出来た当初の見た目の違いは、パッと見ではわからないといえます。

ところが、オイル仕上げとウレタン塗装では施工の仕方も、メンテナンスの方法、注意事項も違います。選択された仕上げの仕方をしっかり確認する必要があります。

まずは、簡単に2つの仕上げを簡単に説明します。

ウレタンは、簡単にいってしまうとプラスチックです。もう少し詳しく説明すると2種類の原料を混合しさせ反応させることによって生成されるプラスチックとなります。配合の仕方などを変えることによっていろいろなカタチや製品にすることが出来ます。

例えば、椅子のクッションに使われるウレタンフォームや家などの建築で使われる断熱フォーム、塗料や接着剤など我々の生活のありとあらゆるところに実はウレタンは存在します。

家具の塗装に使われる場合は、プレポリマーといわれる主剤に硬化材をまぜ、硬化させプラスチックの塗膜をつくり木材を保護します。プラスチック性の塗膜が出来るので、無垢材を使用している家具でも実際に触っているのはそのプラスチックの膜といえます。

一方、オイル仕上げに使われるオイルは植物性オイルを主原料とした塗料で、木の内部に染み込ませることで仕上げます。主原料は、アマという植物の種子を圧搾して抽出される亜麻仁油です。家具に使われるオイルは、ドイツ製のものが多いです。ソリウッドで主に使用しているオイルもドイツのリボス社のものです。その他のメーカーには、オスモ社、アウロ社、クライデツァイト社のプラネットカラーが有名です。オイル仕上げはウレタンと違い塗膜が出来るわけでないので、オイルを塗る前の素地の感触がそのまま肌触りになります。

ウレタン塗装とオイル仕上げの主な違いについては、別エントリーでまとめたものがあるのでそちらをご覧ください。

最適な仕上げを選ぶために知っておくべきオイルとウレタンの違い

上記のエントリーでは、【見た目と触り心地】【強度】【持続性】の3つの観点からオイル仕上げとウレタン塗装の違いを明らかにしています。 

少し前置きが長くなりましたが、今日は上記の3つ以外の2つの塗装の違いをみていきます。

それは【経年変化】です。

吉祥寺ショールームに展示しているテーブルは現在すべてオイル仕上げのものばかりです。ですが、ウレタン塗装をご希望の方やその違いを実感して頂くために、1枚の板にオイルとウレタンの両方を施した板を用意しています。

写真ではわからないのですが、実際の板を横から見て頂くと、真ん中にウレタン塗装で出来た薄い塗膜が確認できます。触ってみてもわずかに段差があるのがわかります。この板を見て、触って頂けるとオイルを浸透させることと塗膜をつくるウレタン塗装の違いが一発でわかります。興味のある方は、吉祥寺ショールームにお越しの際に、スタッフにお声掛けください。

この板は、普段ある目的があってショールームの窓際においています。ショールームの窓には日差しを避けるカーテンの類いがない窓が沢山あります。つまり、この板は日中直射日光にさらされている時間が長いということになります。このことはひとつの実験であり、オイルとウレタンの違いが鮮明になると考えているからです。最近になってその違いがはっきりしてきました。まずはこの板の現在の様子を見て頂きます。

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この板は5年くらい前に製作したものですが、当初は色の違いはほとんどありませんでした。ところが、現在は左右で色が違っているのがわかると思います。

この板の左側がウレタン(クリア)塗装を施したもの、右側がオイル仕上げのものです。この色の違いは、ウレタンが紫外線にあたると黄色く変化していくという性質によるものです。右側のオイル仕上げの部分は製作当初とほとんど変わっていません。この黄変を避けるには、人間の肌と同じように紫外線になるべく当たらないようにすることが1番の対応策になります。

ウレタン塗装をご検討されている方は、このウレタンの色の変化も頭に入れておいてください。

 賢木@吉祥寺

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