2016.02.08

岩手県岩泉町の持続可能な森づくりと森林コンダクターに注目!【No.1457】

ソリウッドは広葉樹材を扱う家具製作工房です。木には針葉樹と広葉樹があります。日本人に馴染みがあるのは針葉樹のようです。皆さんは木材と言ったらまず何を思い出しますか?多くの人はスギやヒノキを思い浮かべるのではないかと思います。

スギは漢字でかくと杉。杉並なんて地名にも使われていますね。最近では花粉症の原因としても有名になりました。日本は戦後にスギやヒノキを大量に植林しました。確かな事は分かりませんが、生長が早く木材として使用できる時期が早くくる針葉樹を家屋の構造材に使うというのが主な理由だと思います。戦後に大量に植林したスギが今や柱などの構造材に使用できる最適な大きさに生長したにも関わらず、伐倒されずに森に残っています。外国材の需要に負われ、国産材の使用が少なくなっているためです。そして、スギの花粉が我々の春を不愉快な物にしているのと今では厄介物として扱われています。

ただし、スギは知名度が高いために研究対象にはよくなるようです。最近では”無花粉スギ”なんていう品種も作り出されています。花粉を出さないスギは花粉症の人からはとても好感を得られるでしょう。でもただでさえ伐倒されずに山にスギが残っているのに新たに無花粉スギを植える必要があるのでしょうか?たぶん必要ないでしょう。

ヒノキもなかなか使用されていないようです。ヒノキというといろいろと使われていそうですが、実際にはそんなに使われていないようです。ヒノキ風呂なんて聞きますが、実際にヒノキ風呂がご自宅にある人はごく僅かでしょう。なぜか?やはり”カビ”の問題があります。いくらヒノキがカビにくいといっても常に水気のある風呂場ではカビは生えてきます。以前わたしが暮らしていた家では浴室の壁や天井にはヒノキが使われていました。さすがに浴槽はプラスチック製でしたが…それでも壁や天井には黒いカビがたくさんついていました。わたし自身はそういうもんだと思っていたので、全く気にはしてませんでしたがやはり気になる人は気になるでしょう。

日本の林業は針葉樹が中心です。林業といえばスギやヒノキをメインに扱う会社がほとんどです。広葉樹を中心に扱っている林業会社はほとんどないのが実態です。針葉樹に比べるとごく僅かですが、広葉樹が集まる原木市場が日本にもいくつかあります。でもその多くが日本国内産の丸太だけでは商売が成り立ちにくくなり、土場には外国産の丸太が目立つようになりました。ハッキリしているのは国産の広葉樹材がピンチだということです。なにも対策をしなければ、国産広葉樹材が市場が消えるのは時間の問題です。外国産の木材しか使えなくなるのは寂しいです。やはり国産広葉樹をもっと使いたいし、増やしていきたいなとは思っていますが…

それでも何とか日本にも広葉樹材林業を根付かせようとする試みが各地で行われています。岩手県の岩泉町ではFSC森林認証を取得してその木材の供給増大を目指した取り組みがなされているようです。広葉樹林でFSCの認証を得ているのは日本国内ではごく僅かだそうです。岩泉町ではこうした森林資源を有効利用するために森林コンダクターという役割を務める人を募集したそうです。そして採用されたのが逢見祥平(おおみ しょうへい)さんです。SNSで見つけた彼のブログを読んでぜひ応援したいなと思いました。まだ20代半ばと若いのに大きな決断をして森林コンダクターに就任したのはとても立派だと思います。

ソリウッドのFacebookでも紹介しましたが、こちらが逢見さんが書いているブログです。

とかいもん!田舎で暮らす

逢見さんは『「半端者という生き方」 会社をやめて岩泉へ移住した理由』というブログエントリーで、しっかり利益が出て、永続的につづけていける広葉樹循環の仕組みをつくりたいと書いています。ぜひ実現してもらいたいです。もちろんそんなに簡単なことではないと思います。なんせ今まで日本でそうした仕組みを作った人はいない訳ですから。今後も森林コンダクター逢見祥平さんと岩手県岩泉町の動きを追っていきたいと思っています。

わたしが過去に広葉樹について書いたブログエントリーも紹介します。興味がある方はぜひ読んでみてください。

寂しい未来はごめんです。−国産無垢材の現状−

ケヤキの復活なくして、日本広葉樹林業は続かないだろう。

最後にケヤキの耳つき2枚はぎテーブル天板用の板を紹介します。

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W1500×D850ミリ程度の天板になるケヤキ材です。日本で流通しているケヤキ材はほぼ100%国産材です。外国産のケヤキなんて聞いたことないですから。ケヤキだったら日本国内で伐倒されたと丸太から製材された板と考えて間違いないでしょう。国産材で作られたテーブルが欲しいならケヤキをオススメ致します。広葉樹の王様と呼ばれ国産広葉樹を代表するのがケヤキです。その他にトチ材もほぼ国産材と考えていいです。こちらのケヤキ材の耳つきテーブル天板が気になる方はこちらのぺージで詳細をご覧頂けます。

→”広葉樹の王様”ケヤキ材をインテリアの中心に

瑞木@相模湖

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