2015.06.04

白っぽい&淡い褐色の材代表、メープル、ブナ、タモ、ナラ。

昨日のブログエントリーでは、色が比較的濃い材の代表格であるウォールナット材、チーク材、チェリー材について特徴などを書きました。今日は、反対に色が白い材の代表格について書いていきます。

木材全体で考えると、桐、ヒノキ、モミ、メープルなどが白っぽい色をしています。この中で家具でよく使われるのは、桐とメープルです。桐は、古くから箪笥の材料として使われており、日本の文化的な家具を支える材です。ところが、近年では桐箪笥の需要が減り、桐材の流通量も激減しています。桐は、広葉樹ではありますが、材質は非常に柔らかく、少しぶつけただけで傷がついてしまうような繊細な材です。ですが、その分吸湿性に優れており、湿気を敵とする和服などの保存には最適とされています。また、腐りにくく虫もつきにくいといった特徴もあり、これらの特徴も箪笥に向いています。色味については、淡い黄褐色で、見た目的には白っぽい印象になります。ですが、桐の場合は時間の経過とともに、桐に多く含まれているタンニンという成分が変化していき、黒っぽく変色していきます。こうなると、初めの印象とはだいぶ違う色味になってきます。

桐は、箪笥以外の家具に使われることはほとんどありません。特にテーブルには向かないと断言出来ます。やはり表面の柔らかさがテーブルとしては使いにくいからです。肌触りは非常に優しいので触っている分には心地よいです。ですので、フローリング材として使われることもあるようです。

もう1つの家具に使われる白っぽい材の代表メープルは、桐とは逆に硬くて重い材です。見た目は艶のある白褐色で、全体の印象も繊細な感じがします。ですが、実際は硬くて重いのです。私はよく見た目の印象と材の性質のギャップが激しいという紹介をお客様と話しているときにはします。

メープル材は、時間が経つにつれ少し黄色味がかり、飴色に変化していきます。変化のスピードは遅くじっくりと変わっていきます。我が家では、メープル材のテーブルを約5年使っていますが、そういわれると少し白っぽさがなくなったかなと思える程度の変化です。

メープルの他に、ブナ材も白っぽい色味をしている材として挙げられます。メープルの色味は、黄色に近い白ですが、ブナは赤に近い白といえます。ブナも比較的硬く強度があります。日本では、椅子の背などの曲げ木をする材としてよく使われています。

続いて、淡い茶褐色の材をみていきます。いわゆる黄土色っぽい色味の材で、一番、木っぽい印象のある木かもしれません。淡い茶褐色の代表格は、タモ材とナラ材です。タモ材とナラ材の見分けは、一般の方だとなかなか判断がつかないかもしれません。この2つの樹種は、色味だけでなく構造的な部分も似ています。よく見てみると、タモ材のほうが比較的明るく、木目の感じがワイルドというか間隔がやや広くはっきりと木目がみえているといえます。

ナラ材のほうが、少し落ちついた色味で、見た感じだとタモに比べるとやや濃くみえます。また、木目も肌理が細かくも木目の模様も緻密になります。材質的な面では、この2つの材でさほど違いはありません。ですので、家具を注文する際にタモ材かナラ材かで悩んだら、見た目の好みで選んでしまうことをオススメします。また、近年ではタモ、ナラともに価格が上昇傾向にあります。ナラ材といえば、少し前までは無垢材家具の定番中の定番であり、供給量も多く安定していました。ところが、最近では流通量が減り、価格もどんどん上がっています。一昔前のウォールナット材くらいの値段がすることもあります。

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上の2枚の画像は、どちらかがタモ材でどちらかがナラ材ですが、区別はつきますか?

この写真の場合は、一番左側の板をみると、違いが鮮明になるかと思います。ナラ材の特徴である木目がひきしまって見える点が判断のポイントです。このように全体像では同じような木でも、細かい点をくまなくみると浮かびあがってくる特徴で判断することが可能です。

正解は上がナラ材で下がタモ材です。なかなか区別はつきづらいと思いますが、違いがあるという点をわかって頂けば幸いです。

賢木@吉祥寺

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