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家具屋で働く双子のブログ
木表と木裏〜聞き慣れない単語を分かりやすく解説します〜
無垢材家具を検討している際に、聞き慣れない単語に出くわすことがしばしばあると思います。お客様に話すときは意味が伝わりづらい単語はなるべく解説しながら使うようにしていますが、初めての人には難しく感じるでしょう。
そこで、聞き慣れない単語をわかりやすく解説しますをシリーズ化して単語の意味を解説しています。
無垢材とは?〜シリーズ第1弾〜
板目と柾目 〜シリーズ第2弾〜
赤身と白太 〜シリーズ第3弾〜
1枚板?2枚はぎ?〜シリーズ第4弾〜
今回はその第5弾となります。このブログエントリーでは「木表」と「木裏」を取りあげます。
木が森から丸太の状態できり出された状態では、表裏の区別はなく上下の位置関係を主に気にします。丸太は切り出された状態は2つの切り口があることになります。その切り口のうち、根に近く、より太いほうをを元口と呼び、梢(木のてっぺん)に近い細い方を末口と呼びます。丸太が流通する際には、末口と元口は重要でその丸太の寸法を末口の直径で表記されることが多いです。木の性質状、根に近い元口のほうが、製材した際に赤身の割合が多く、末口にいくにつれ白太の割合も増えていきます。
柱として製材された角柱を使う場合、自然界に存在していた時と同じ状態、つまり元口を下にして使うことが一般的です。
丸太から複数の板に製材されると、こんどは上下よりも表裏を気にすることが多くなります。一見、表も裏もないようですが実際にはしっかりと区別されます。製材された板の中で、樹皮により近い部分を「木表(きおもて)」、丸太の中心に近い部分を「木裏(きうら)」といいます。
木表と木裏を区別するには、年輪がみえる切断面(木口)をみるとわかりやすいです。年輪の中心に近いほうが「木裏」、そうでないほうが「木表」となります。木裏と木表の区別は、木の反りと関係が深いのでよく取りざたされます。木表のほうが組織が新しく木裏に比べて水分が多くなります。乾燥が進み水分がとんでいくと伸縮する具合が多くなります。木表と木裏で乾燥時の収縮に差があると、収縮が強いほうに組織が引っ張られます。これが木材の反りの原因です。ですので、一般的には木表に向かって木材が反るとされています。ですが、これはあくまで一般論であり実際には木裏方向に反りがでる場合もあります。これが自然素材の厄介なところでもあり、無垢材を取り扱うには経験が必要な部分でもあります。
見た目や機能面で木表と木裏を気にする必要があるのが、耳つきテーブルです。耳つきテーブルの場合、どちらを表に使うかで全体のカタチが変わってきます。耳がついている板の木表を使った場合、木口からみると上の辺が短い台形となります。この場合、耳の部分がはっきりと見え、自然観あふれるテーブル天板になりますが、テーブル全体の幅より天板として使える部分が短くなることがあります。
上の写真は木表を上にした耳つき天板です。耳がそこまで寝ていませんが、上の辺が短い台形であることがわかると思います。こちらの板は木口の年輪をみたほうが木裏、木表の判断はつけやすいかもしれません。
逆に、耳がついている板の木裏を表に使った場合、断面は上の辺が長い台形になります。こちらのタイプは、テーブル全体の幅=天板として使える有効幅となります。
こちらが木裏が上になった耳つき天板の製作例です。
どちらの面が上にきたほうがいいかと疑問をもたれるかもしれませんが、これは見た目でどちらを好むかで決めて頂いて大丈夫です。個人的には、木裏を上にしたタイプのほうが見た目は好きです。ナチュラルな感じがしつつ、びしっと引き締まった表情にみえるからです。
また、2枚はぎの耳つき天板でブックマッチと呼ばれる天板があります。これはアジの開きのように丸太を開いた状態に使い接ぎ方をして左右対称の木目が出てくる人気の天板です。この場合、木裏木表でいると片方が木裏で片方は木表ということになります。木口の断面をみると平行四辺形に見えます。
賢木@吉祥寺
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