2014.11.10

白っぽい材、イタヤカエデ材を掘り下げてみます。

最近、イタヤカエデ材・メープル材・トチ材といった白っぽい板のオーダーや見積依頼が増えています。ウォールナット材やチェリー材といった色の濃い材種の人気が目立ちますが、白い板の需要も少なからずあります。イタヤカエデ材、メープル材

要因としては、白を基調にした内装が一般的になった事と北欧系のインテリア人気があると思います。北欧のイメージは、白とポップな色の組み合わせですよね。取り上げて3種の材は北欧産ではありませんが、イメージとして北欧っぽい感じはします。イタヤカエデ材とトチ材は国産の木材です。メープル材は北米産になります。

イタヤカエデは数あるカエデ・モミジに仲間の中では珍しい大きく成長する木であります。そのため、木材として使われるカエデの仲間はほぼイタヤカエデだけです。その他のカエデやモミジは製材して板にして使えるほど大きく成長しません。

イタヤカエデ材は丸太の中心に近い部分はピンク色をしています。外側の部分は白っぽい色をしています。(実際はクリーム色ですかね…) といっても個体差が多く、色や木目のバリエーションは豊富です。

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こちらは以前に納品したイタヤカエデの耳つき4枚はぎテーブルです。真ん中の2枚はピンク色をしています。さらにその一部はもう少し濃いピンク色になっています。このカエデ材はとてもワイルドな感じがします。

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一方こちらのイタヤカエデは白っぽく落ちついた雰囲気をしています。どちらもよく見るとカエデらしい似たような木目をしていますが、色の違いでだいぶ印象は異なります。

ソリウッドでは、材木市場で並んでいるカエデ材を購入することが多いです。コンスタントに並ぶ材種ではないですが、特別珍しいわけでもありません。見掛けたらなるべく購入するようにしているので、数台分の在庫はもっています。しかし、乾燥時の変形が激しい種類なので、時間を掛けて乾燥させているため現時点での乾燥材の在庫はありません。

イタヤカエデは乾燥の際に大きくネジレます。そのため幅が広い板でも幅広く使うことが難しいです。幅広く仕上げようとすると薄くなってしまいます。そのため真ん中で切って、幅を狭くして平面をつくるようにします。こうした方が厚く仕上げることができます。製材したあとすぐに人工乾燥庫に入れると、大きく反って、ネジレてしまいます。そのため、外に桟積みして天然乾燥でゆっくりと水分を抜いてから仕上げで人工乾燥庫に入れています。

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こちらは最近納品したイタヤカエデ材の耳つきテーブルです。白いテーブルを希望ということだったので、同じ丸太からとれた3枚の板から色の白い部分を選んで組み合わせて4枚はぎの天板にしました。なかなか難しいオーダーでしたが、なんとかご要望に沿うカタチで提案できたので良かったです。

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乾燥の難しいカエデ材には、割れ防止剤がたっぷりと塗って有ります。そのため、中の色をうかがい知ることが出来ないので、ハンドプレナーで削って確認しました。そして白っぽい部分を選んで木取り案を考えました。

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全体はこんな感じです。

イタヤカエデ材はスベスベなのが特徴です。いつまでも触っていたくなるような手触りをしています。そして繊細な木目。遠くから見ると木目はハッキリしていないのでよくわからないですが、近くで見ると複雑で面白い模様をしています。北米産のメープル材とは違う模様をしています。僕は国産カエデの木目の方が好きです。

なので、たくさんイタヤカエデ材のテーブルを製作したいんです。が、流通量が多くない材の希少材種なのでたくさんは製作できません。細々と仕入れて、じっくり乾燥させて、大事に使っていきたいと思います。

瑞木@相模湖

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