2014.09.15

大人気ウォールナット材を徹底解剖!!

ソリウッドでの2大売れ筋樹種はウォールナット材とチェリー材です。どちらも北米を代表する木材で世界中で家具材やフローリング材として使用されていま す。日本にも多く入ってきている材で、今では家具に使用される定番木材として知名度、人気が高くなっています。特にウォールナット材は知名度、人気がうな ぎ登りで上昇しており無垢材に限らず化粧合板を使用した家具やフローリングにも多く使われています。人気が高いことで値段を上昇しており無垢材、化粧合板 ともに高級材として知られるようになりました。ここ数年、ウォールナット人気に拍車がかかり、価格上昇、良材の取り合いが激しくなっている印象を受けま す。材木屋さんや木材商社の方の話によると、現地の供給元は値引きなどには一切応じないので、この価格は嫌なら帰ってくれという強気の態度を崩さないとのことです。良い物はあるけれども、高くて手の出ないものが多いそうです。アメリカ経済が極度の不景気にならない限りこの傾向は続きそうな気がします。

現在、アメリカ産の広葉樹の存在が世界規模で重要なポジションを占めています。原因はロシアの関税政策です。日本にもロシアから大量の木材が入ってきていました。しかし、数年前からロシアは木材に対する関税を大幅に引き上げてきました。その結果、ロシアからの輸入材の量は減り、価格も急激に上昇しています。その代わりになっているのが、アメリカ産広葉樹です。日本ではロシア産のナラ材がたくさん使われてきました。ロシア産のナラ材は品質が良く、値段もそこそこだったのでとても使い勝手が良かった訳です。同じことはタモ材にも言えました。しかし、そのロシア産の材が高くなってしまった今、アメリカ産のホワイトオーク材とホワイトアッシュ材に注目が集まっています。(ホワイトアッシュ材は虫の問題で大打撃を受けているそうです。) ホワイトオーク材は好調で、こちらもウォールナット材同様に供給元は強気の姿勢だそうです。

さてウォールナット材ですが、言わずといれた人気樹種になっているのでどんな見た目をしているのかは何となく知っていると思います。最大の特徴は色です。着色をしていないのに濃い茶色をしています。似たような色をしている木材が少ない事も人気を保っている秘訣でしょう。

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こんな感じです。一般的なイメージとも近いと思います。しかし、同じウォールナット材でももう少し紫色がかったような材もあります。経験的な推測ですが、太いウォールナット材は紫がかった木目が出る事が多い気がしています。

濃い茶色のイメージが固定化されているので、ウォールナット材は全て濃い色をしていると思っている方も多いでしょう。しかし、濃い茶色をしているのは木の中心部分で端の方は白っぽい色をしています。
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台車のに載っているウォールナット材です。左側の板を見ると、周辺部分が白いというのが分かると思います。右側の板も木口を見てみると白い部分が混じっているのが分かります。裏面(木表面)をみると白い部分が端に入っています。

日本では、ウォールナット材の白い部分は基本的には外して使うのが一般的になっています。濃い部分だけを使用している訳です。ある意味贅沢な使い方をしています。ウォールナット材の産地アメリカでは、白い部分も混ぜて使用するのが一般的です。そのため、当然白い部分も有効な部材として計算されます。ウォールナット材の家具が高価になる要因の1つがこの白い部分です。1枚の板から使える部分が多い板を”歩留まりが良い板”、使える部分の少ない板を”歩留まりが悪い板”と呼びます。ウォールナット材は基本的に”歩留まりが悪い”材になります。昔は今よりも太い丸太が豊富に流通していましたが、最近のウォールナット材は細いものが増えてきています。細いウォールナット材の歩留まりは、太いウォールナット材に比べるとかなり悪くなります。歩留まりが悪いと当然完成品の価格に響いてきます。これからもさらに価格上昇する可能性も多いにあります。最近のウォールナット材の歩留まり率はかなり悪くなってきています。

ウォールナット材は粘りがない木材の1つに数えられます。粘りがない木材は細かい加工には向いていません。加工途中に欠けてしまう可能性が高いためです。しかし、テーブルや椅子、棚などの強度に関しては全く問題ありません。でも、バットにウォールナット材を使用したらすぐに折れてしまうはずです。バットにウォールナット材が使われないのは粘りが少ないからです。タモ材はバットによく使用される木ですが、これは粘りがあるからなかなか折れないためです。木材はどれも同じように見えるけど適材適所というものがあります。

瑞木@相模湖

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