2014.06.30

樹皮も木によってそれぞれ、樹皮で樹種判別することも可能になってくる。

材木市場でセリ落とした板の一部が工房に到着しました。今回はなんだかんだいって量が多くなってしまい、ソリウッドのトラックでは一度に乗り切りませんでした。積み残した分は次回仕入れで購入した板と一緒に引き取る予定です。

今回の仕入れも2枚はぎ〜3枚はぎテーブル用の板が中心になりました。
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どうですか?この状態で樹種が分かります?無垢材の家具でよく使用される板に関しては、木目も見れば樹種の特定は可能です。多くの家具製作者も木目を見れば樹種を特定できると思います。でも、立っている樹を見て樹種が分かる家具製作者は少ないと思います。私も立木の識別は苦手です。ただ、樹皮をみるとなんとなく樹種が分かるようになってきました。

材木市場には、製材をした板の他に丸太も置いてあります。私が仕入れるのは製材された板ですが、セリの合間に丸太もザッと見ています。そうしていると、だんだんと樹皮や丸太の様子で樹種が識別できるようになってきました。

さて、上の写真です。上3枚と下7枚が違う樹種ということは分かると思います。上3枚はチェリー材、下7枚はカエデ材です。チェリー材は木部の色と同様に樹皮も少しオレンジがかっています。そして、樹皮の厚みが結構厚いです。樹皮も樹種によって厚みが違います。細かくいうと同じ樹種でも厚みに違いがあることもあります。産地などでその違いがでるのかも知れません。今回仕入れたチェリー材は普通の厚さでしたが、前に仕入れたチェリー材でとても樹皮が厚かった板がありました。”同じ樹種でも随分と樹皮の厚みが違うな”と驚きました。

カエデ材の樹皮は白っぽい色をしています。そして樹皮は薄めです。

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こちらはチェリー材とウォールナット材。1番上がチェリー材、その下3枚がウォールナット材、その下は全部チェリー材です。ウォールナット材の樹皮はゴツゴツした印象です。色も少しこげ茶色をしています。伐倒されてからまだ時間が経っていないウォールナットの樹皮を剥がすとその内部が鮮やかな黄色をしてます。
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この部分はとても瑞々しいんです。樹皮の内側は形成層と呼ばれる組織で樹の成長点になります。

耳つきで板を使用する場合に、耳の部分に割れが入っているとちょっと使いづらくなります。出来れば耳に割れがあって欲しくないのですが、樹種によっては耳から割れが入りやすい木もあるようです。輸入されている丸太の多くは樹皮がついたまま日本に入ってきます。しかし、部分的には樹皮が剥がれてしまっている箇所もあります。そうした樹皮が剥がれてしまった部分は割れが入りやすくなります。樹皮を剥がす作業はとても大変で時間と力が要ります。なので、樹皮が剥がれてくれていると助かるのですが、その部分には割れが入っている可能性が高いというデメリットもあります。うーん、なかなか人間の思う通りになってくれないものですね。

私がよく扱っている樹種のなかでは、チェリー材が耳の部分から割れが入りやすいと思います。今回仕入れた材の中にも耳から割れが入っている板があります。耳からの割れが多い板は耳つき板として使用するのが難しいかもしれません。そうした板は耳をカットしてはぎテーブルの中の板に使用します。

樹皮の外見に関しては、『樹皮ハンドブック』林 将之 文一総合出版 が面白いです。立木を判別するためにまとめられた本ですが、当然ですが丸太の判別にも役立ちます。この本が優れている点は、若木・成木・老木と3段階に分けてそれぞれの樹皮の写真が掲載されている事です。若い木と長年生きた木では、樹皮の様子が違います。やっぱり若い木は青っぽく爽やかな印象です。時間が経つにつれて、皺のような裂け目が増えて色もくすんできます。そうした違いがひと目で分かるのが楽しいです。

ということで今日のブログは樹皮に関してでした。

瑞木@相模湖

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