2014.07.01

無垢材は反るってどういうこと?その対策にどんなことをしているの?

“無垢材は反る”という話を聞いた事があると思います。無垢材テーブルを検討している方も反ったりしてしまうのが不安で、購入をためらっている人がいるはずです。そういうった方のために、”無垢材は反る”とはどういうことかという事とその対策について書いてみる事にします。
木は木に含まれている水分量を周りの空気の水分量に合わせようとします。周りの空気が乾燥している場合は、木の内部にある水分を放出します。その逆で、湿度が高い場合は、水分を吸収しようとします。水分が抜けたり、貯めたりして体積が変動する際の動きが”無垢材は反る”の原因になります。

無垢材を使用するためには乾燥が必要という話はこのブログでも何回も取り上げている話題です。伐倒されたばかりの木は水分をたくさん含んでいます。切り口から水分があふれていることもあるなんて話も聞きます。木材の乾燥具合を調べる基準に含水率という数値があります。伐倒されたばかりの木は含水率が150%なんてこともありえます。伐倒された木は玉切りといって、長さを切って運び出されます。だいだい2mから3mぐらいに切ります。その切り口から水分がドンドンと蒸発していきます。重量を軽くするために玉切りされた丸太はその場にしばらく置いておく事もあるようです。そののち原木市場に運ばれ買い手がついたら、製材されます。製材された板の乾燥も上記の水分移動を利用して行います。製材されたばかりの板の含水率は50%から70%ぐらいです。日本の大気の標準含水率は平均15%とされています。つまり、外気にさらされた板は含水率が15%になるまで水分を放出します。この際に多くの水分が抜けるので、体積も減ります。そのため、木材の乾燥には反りやネジレといった変形が必ず起きます。水分が抜けることで板も縮みます。しかし、木材はその縮む方向がほぼ決まっています。木材は幅方向にたくさん縮みます。長さ方向に縮むことはほとんどありません。

木材は幅方向に収縮する性質を持っています。これは無垢材を扱う上で、忘れてはならない性質です。テーブルで言うなら奥行きは板の収縮でサイズに変動が起きます。しかし、長さは長年使用していてもほとんど変化はないでしょう。そして幅方向に収縮した際に反りが生まれます。

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ソリウッドのテーブル天板の裏側に配置している反り止めです。L字型やコの字型の鉄製の金具をビスで留めています。これで収縮時の動きを抑制しようという狙いです。反り止めは、いろいろなやり方が考えられます。それぞれのメリット・デメリットがあるので、1番優れている反り止めはこれだと決めることは出来ないと思います。ソリウッドでは、反りを抑制する効果があって、邪魔にならない、作業が煩雑にならないといった理由で鉄製の反り止めを採用しています。

反り止めで重要なことは、幅方向に効いているということです。収縮の影響があるのは、幅方向なので反り止めは必ず幅方向に効かせます。長さ方向にいくら反り止めを効かせても効果はありません。

では、ソリウッドのテーブルの裏側には長さ方向に棒状の木がついているではないか、あれは反り止めではないのかと思う方もいると思います。
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この真ん中の部品のことです。これは反り止めではなく、”垂れ止め”です。端と端にしか脚がない場合、中央部分が板の重みで垂れ下がってきてしまうことがあります。それを抑制する役目をしているのが”垂れ止め” です。なので”垂れ止め”は反りを防止する効果は全くありません。

このようにソリウッドのテーブルは幅方向に”反り止め”を効かせ、長さ方向に”垂れ止め”を効かせて木の動きを抑制させています。それでも、完全に動きを抑えることはできません。ある程度の反りは防ぐことができません。といっても通常の使い方に影響が出るような反りはほとんど起こりません。そうならないように、しっかりと乾燥させた材を使用して、”反り止め”や”垂れ止め”で木の動きを抑えるようにしています。

いつまでも水平を維持する必要があるモノには、木を使うことは出来ません。そんな理由で定規類にはあまり木が使われません。薄い木製の定規なんてのは、反ってしまって上手く線を引くことも出来ないですし、寸法も当てになりません。定規には竹や鉄が向いています。

瑞木@相模湖

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