2016.03.18

ウレタン塗装は経年劣化で剥がれてきますが、再塗装で新品同様に甦らせることが可能です。

※2019年6月10日改訂:内容の一部を変更しました

無垢材テーブルの塗装方法(仕上げ方法)は、大きく分けて2種類あります。ウレタン塗装とオイル仕上げです。

ウレタン塗装は昔から一般的に家具に施されている塗装方法です。今でも量販店で販売されている家具の多くはウレタン塗装がされています。似たような塗装にラッカー塗装があります。ラッカーの方が塗膜の強度は弱いと思います。ウレタン塗装もラッカー塗装も木材表面に塗膜をつくる点は共通です。ウレタン塗装は3層ほどの塗膜層を作ります。層を重ねることで塗装の強度を高めています。下塗り、サンディングシーラー、上塗りと3層の塗膜を作るのが一般的なウレタン塗装方法です。塗料を吹き付けて乾かし、サンディングをして表面をならしてから上に次の塗料を重ねていきます。ピアノなどの鏡面仕上げのウレタン塗装の場合は、この行程を何度もして塗膜を厚くしています。

ウレタン塗装のメリットは塗膜が丈夫なことです。

ですが、使っていくうちに劣化していきます。10年ぐらい経つと塗膜が劣化して剥がれてくるようになります。20年ほど使うと剥がれた部分がかなり目立ってきます。

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こちらはソリウッド木工教室の生徒さんが20年ほど前に制作したウレタン塗装のテーブルです。

塗膜が剥げているのが目立っています。飲食店のテーブルでもこのように塗装が剥げているのを見掛けることがありますよね。現在はウレタン塗装の塗料が改良されているのでかなり強くなっていますが、それでも経年による劣化は避けられません。

今回このテーブルの再塗装の依頼を受けたので、相模湖工房に引き上げて再塗装をしました。

ソリウッドでは、ソリウッドが製作したテーブルに限り、再塗装の依頼を受けています。

ソリウッドが製作したものに限らせてもらっているのは、他社製品だとどんな塗装がされているか分からないためです。ソリウッド製品をお使いの方で再塗装を希望される方は、吉祥寺ショップまでご相談ください。見積をさせて頂きます。

さて、上の写真のテーブル天板。再塗装してどうなったかというと……

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どうですかね?

ほぼ新品同様になりました。再塗装を依頼した生徒さんも綺麗だと気持ち良いなあと言っていました。

再塗装の場合、まず従来の塗装を落とす作業から始めます。これがなかなか大変な作業で、ウレタン塗装は剥がそうと思ってもなかなか剥がれてくれません。サンダーで何度も何度も研磨して剥がしていきます。
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上記のテーブルとは違うテーブルですが、古いウレタン塗装を剥がしている光景です。ウレタンの粉が飛び散るのでかなり苦戦をします。が、丹念に古い塗膜を剥がさないと綺麗に再塗装できません。古い塗装を剥がしたあとは、通常通りに塗膜を重ねていきます。

ウレタン塗装は日頃のメンテナンスをしなくて済むというメリットがあります。シミや汚れにも強く、普段はガンガン水拭きをしても構いません。デメリットは先ほども言いましたが、経年劣化で剥がれてきてしまうことです。こうなると、ご自分で修復することは不可能です。業者に依頼して再塗装をしてもらう必要があります。再塗装は手間が掛かるので、費用もそれなりに掛かります。

 

現状では完璧な塗料というものは存在しません。ウレタン塗装にするか、オイル仕上げにするか。迷うとこではありますが、両者のメリット・デメリットを知ってご自分のライフスタイルに合う塗装方法を選んでもらえば後悔することはないでしょう。塗装について悩んでいる方はぜひご相談ください。それぞれのメリット・デメリットを説明させて頂きます。

追加:
ウレタン塗装に関しては今までに幾度となくソリウッドのブログで取り上げてきました。比較的よく読まれるジャンルなので、書く頻度も高くなっています。そんなウレタン塗装について書かれたブログエントリーをまとめてみました。

ウレタン塗装のメリットデメリット【No.1936】

そもそもウレタン塗装のメリットデメリットを把握していないと選択することができませんよね。ウレタン塗装にするかオイル仕上げにするかどちらを選択するにしてもメリットデメリットがあります。

ウレタン塗装関連のブログエントリーで一番読まれているのが下記のエントリーです。無垢材テーブルにおけるオイル仕上げとウレタン塗装の違いについて書いたものです。

最適な仕上げを選ぶために知っておくべきオイルとウレタンの違い

納品したテーブル ウレタン塗装にした理由

近年ではソリウッドで製作する無垢材テーブルの多くはオイル仕上げになっています。ウレタン塗装を選択される方の数は減りましたが、使用状況によってはウレタン塗装の方が力を発揮するケースがあります。

 

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