2014.01.09

最適な仕上げを選ぶために知っておくべきオイルとウレタンの違い

昨日のブログでは、自宅にあるオイル仕上げのテーブルの3年使った現状を書きました。そこでは文字数的にオイル仕上げとウレタン塗装の違いについて細かく触れることが出来なかったので、今日はそのあたりを補足してみます。

まず、お伝えしておきたいことはオイルとウレタンどちらを選ぶかはお客様のライフスタイルや考え方、もっと踏み込むとなぜ無垢材のテーブルが欲しいかということをよく考えた上で決定して頂きたいということです。

というのも、どちらの仕上げ方法もきちんとした仕上げ方法でこれまで用途に合わせて選択されてきた歴史があり、長所と短所があります。単純な優劣をつけることが難しいからです。

オイルは、植物性オイルを主原料とした塗料で、木の内部に染み込ませることで仕上げます。一方、ウレタンは、ウレタン樹脂(プラスチック)の薄い塗膜で木部を覆い仕上げる塗装です。

では、2つの仕上げ方法の違いを【見た目と触り心地】【強度】【持続性】の3つの観点からみていきましょう。

【見た目と触り心地】

オイル仕上げは半つやで、ツルツルでしっとり感のある肌触り

ウレタンは光沢のある見た目、触り心地はツルツル。

ウレタン塗装というと、テカテカに光った民芸調のテーブルなどを思い浮かべる方もいらっしゃると思います。しかし、現在では、薄く塗る事も可能で、ソリウッドで行うウレタン塗装も薄く塗ります。パッと見ただけでは、オイルとウレタンの差はわからない方も多いのではと思います。

触り心地はどちらもツルツルと表現するのが一番近いです。しかし、両者は明らかに肌触りが違うと私は思っています。表現するのは難しいのですが、撫でてみるとオイル仕上げのほうがしっとり感があり手に吸い付いてくるような感覚があります。これは木の表面の微妙な凹凸がそう感じさせていると考えます。

【強度】

どちらが強い塗装なのか?

多くの方が一番気になっている事だと思います。

まず、衝撃やひっかき傷に対する強度ですが、これはそこまで大きな違いがないです。簡単な実験をしてみましたが、先が尖っている鍵で同じくらいの力をかけてひっかいてみました。その結果は、オイルでもウレタンでも同じように傷がつきました。衝撃に対しても簡単な実験をしましたが、結果はほぼ同じです。

ところが、傷やへこみに対する補修では少し差がでます。オイル仕上げの場合は引っ掻き傷は紙やすりで軽くこすり、その上からメンテナンスオイルを塗れば傷はなくなります。へこみは昨日のブログでも実践しましたが、スチームや水を含ませると直ります。このように、オイルの場合は木がもつ特徴を活かすことができる仕上げともいえます。

逆に、ウレタンの場合はこのような補修が出来ません。ウレタン塗装した板をへこませて、水を含ませてみましたが、オイル仕上げのような復元は出来ませんでした。

水に対する強度

オイルは水に弱いのが弱点です。水に塗れた食器やコップを長い時間置いておくと輪染みができてしまいます。一方、ウレタンはオイルに比べ圧倒的に水に強いです。塗れたもので輪染みができることはありません。

【持続性】

オイルの場合、食事の後は乾拭きや堅く絞ったふきんで拭いて頂くのがベストですが、少しづつオイルが抜けてきます。オイルが抜けてくると、ツルツルだった肌触りがかさついたような感じに変わってきます。こうなった場合は、メンテナンスオイルを上から塗って頂くと元通りになります。

ウレタンの場合は、15年ぐらい使い込んでくると、ウレタンが摩耗してはげてしまう部分がでてきます。これはウレタンの劣化が原因です。こうなってしまうとご家庭での補修は難しいです。工房にもって帰って機械でウレタンをきれいに剥がしてから、再度塗装することになります。再塗装すると、ほぼ新品同様に蘇りますが、そうするには、時間と費用がかかってしまいます。

2つの仕上げの違いは以上になります。最初にも述べましたが、用途やお客様の中での優先順位に応じて選んで頂ければと思います。

賢木@吉祥寺

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