2013.11.22

耳つき板を仕入れる際に考えている事

ソリウッドでは、無垢材のテーブルをメインに製造、販売をしています。

樹種やサイズはいろいろとありますが、無垢材テーブルを大きく分けると2種類。耳つきか耳つきじゃないかに分けられます。

耳つきテーブルとは、樹皮が付いていた部分をそのまま残して製作するテーブルです。木は直線的に成長する訳ではないので、耳つきテーブルは自然と多種多様なカタチになります。耳つきテーブルの代表格は1枚板テーブルです。丸太から製材された板をそのまま使いテーブルにしたのが1枚板テーブル。1枚の板でテーブルとしての大きさを持っていなければならないので、樹齢100〜200年といった木から採れた板を使います。

もう一つの耳がついていないテーブルをソリウッドでは、ストレートカットテーブルと呼んでいます。こちらは、樹皮のついていた部分をカットして使用するので、カタチは長方形や正方形になります。(ストレートではないですが、丸テーブルもこちらに分類されます。)もちろんストレートカットの1枚板テーブルというのも可能ですが、メインは何枚かの板を幅方向に接着する”はぎ”という技術を用いて作られます。

ソリウッドでは、ストレートカットテーブルに使用する板は製材時に耳を落とした耳裁ち材を使用します。これらの耳裁ち材は材木屋さんに常時在庫があるものがほとんどです。材木屋さんは、樹種ごとに数種類の厚みの耳裁ち板を揃えています。日本で製材された板なら27ミリ、34ミリ、45ミリといった厚みで用意されています。北米材なら4/4インチ(約25ミリ)、6/4インチ(約38ミリ)、8/4インチ(約50ミリ)といった厚みで製材されています。

頻繁に使う樹種、厚みの板はまとめて購入する場合もありますが、必要に応じて購入することがほとんどです。耳裁ち材の多くはすでに人工乾燥されているものが多いため、必要な時に必要な分だけ仕入れることができます。

一方、耳つき板は材木屋さんのストックも限られているので、市場に行って仕入れてくることが多いです。市場に出ている板はその時によって異なります。人気のウォールナットや国産材の主要樹種のケヤキなどは毎回出品されています。しかし、多くの樹種はある時にはあるが、無いときはない場合がほとんどです。それだけ安定供給されている耳つき板が少ないということです。

市場で入手できる耳つき板は未乾燥の板がほとんどです。時々、乾燥材が出ている場合もありますが、それらも天然乾燥がほとんどで、一度人工乾燥に入れる必要があります。そのため、購入してすぐに使用できる板はありません。乾燥して使えるようになるまで、半年から1年は掛かります。

こういう事情から、耳つき板に関しては計画的に仕入れていかなければいけません。現状すぐに使える乾燥済みの耳つき板の在庫、現在乾燥中の在庫を見て、必要な板がなにかを把握して市場に行きます。

では、実際の市場でどんなことを考えて仕入れる板を決めるかを書いていきます。

まず、重点樹種でちょうど良い板があるかを探します。ウォールナット、チェリー、トチ、カエデ、カバは常に製作できる板を在庫しておきたい材種です。幅が500ミリから600ミリある板は一枚ではテーブルにはなりません。しかし、2枚あれば耳つき2枚はぎのテーブルが作れます。同じ丸太から採れた板は色や木目が合いやすいので2枚セットであれば好都合です。たとえ一枚しかなくても、他の丸太から採れた板と組み合わせたり、一枚でデスクを製作できたりと選択肢がいくつかあるので、この幅の板は買いやすいです。

幅が300ミリから400ミリの板は、3から5枚はぎのテーブルに用にと考えています。重点樹種で在庫が薄い種は買い足しておきます。

重点樹種に関してはサイズ重視で、ピッタリの板があれば基本は買いです。

重点樹種でめぼしい板がない場合は、他の樹種で良い板がないかを探します。ここでのポイントは木目。キレイな木目の板を探します。主要樹種よりは、少し厳しめで採点しておきます。基本は木目を見て、これはテーブルにしたいと思った板に限って仕入れるようにします。特に名前が知られていない樹種のテーブルは抜け出たなにかをもっていないとなかなか購入していただけないため、自分の直感を信じて仕入れるようにしています。ミズメ、クリ、ニレ、セン、ケヤキ、クルミなどが多い気がします。

その他には、耳のカタチや状態もチェックしています。樹皮が剥かれてから長い時間が経った丸太を製材した板などは、耳に割れが入っていることがあります。耳つきで使う事を前提にしているので、耳に大きな割れや損傷がある板はなるべく避けるようにしています。

耳のカタチは耳つきテーブルの印象を決める大事な要素です。使いやすいのは真っ直ぐの耳ですが、少し面白みに欠けます。基本真っ直ぐだけどちょっと曲がっている板がベストですが、なかなかそういう板はありません。大きく曲がっている板も一部カットして使いやすいカタチにすることも可能なので、それはそれでいいかなと思って買っています。

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基本真っ直ぐだけとちょっと曲がっている耳の例。チェリーの耳つき板。

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ほぼ真っ直ぐ。ストレートカットテーブルと大して変わらない?面白みに欠けると言えばそうですねと。

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大きく曲がっている板の例。なんでこんなに曲がったの?一部カットすれば程良い感じになるはず…

瑞木@相模湖

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